2022 Fiscal Year Annual Research Report
Neuropsychological and brain science studies on occurrence mechanisms of visual illusory cognition in Parkinson's disease
Project/Area Number |
17K10336
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
石岡 俊之 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50548914)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | パーキンソン病 / 視知覚 / FDG-PET |
Outline of Annual Research Achievements |
パーキンソン病(PD; Parkinsonn's Disease)の視知覚機能低下の特徴を検証するために,PD患者群と年齢を統制した健常対照群に対して作成した前注意型のテクスチャー刺激を用いて知覚できる閾値を比較検証した.前注意型のテクスチャー刺激として背景の線分と傾きが異なる3つの線分の配列(線分傾きの配列)と交差していない線分でできた背景に交差した線分3つの配列(クロス線分の配列)を準備し参加者には標的刺激の配列が縦に並んでいるか,横に並んでいるかをマスク刺激が提示されてから任意のタイミングで回答させた.また,統制課題として能動的な注意を必要とするアルファベットの”T”が7つ中に標的である逆さの”T”がひとつ含んだ8つの刺激が円状に配列された刺激を提示し,画面の右側にあるか左側にあるかを同様に回答させる課題を実施した.刺激の提示時間は,アルゴリズムを使用して正誤によって提示時間を調整し40施行後に正答率が75%となる提示時間を閾値として算出した.解析は,統制課題を共変量とした共分散分析を実施した.結果,PD群のクロス線分の配列課題の知覚閾値時間は,健常対照群の閾値と比較して有意に延長していたことが検出された.一方で,線分傾きの配列課題の知覚閾値時間は両群にて有意差は検出されなかった.このことは,PDは,前注意型の刺激のうち交差していない線分の中から交差した線分の抽出する処理に特異的に知覚の低下を認める可能性が示唆された.
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