2017 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害に対する反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)と脳血流量変化
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17K10341
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 信幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60328325)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション / 経頭蓋磁気刺激 / 麻痺 / 高次脳機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、脳深部へのrTMSの効果を様々な病態・症状で試行錯誤し、今後の本格的な研究開始のための準備期間という位置づけで終了した。 現在進行中のプロトコルは片側大脳病変をもつ脳梗塞・脳出血患者に対する介入として、急性期失語症に対するrTMS、急性期自発性低下に対するrTMS、急性期下肢麻痺に対するrTMSである。関係する職種が慣れるためにすべて本刺激のケースシリーズで行っている。また、麻痺については亜急性期から回復期に施行されたrTMSの効果が最終的にプラトーに達した際の利得上昇につながるかを今後RCTで検証予定である。 また、もっとも深部脳病巣への介入として、急性期重度脳幹梗塞・出血患者に対する背側前帯状回への高頻度rTMSの覚醒度や身体能力に対する影響を調べており、症例数はまだ3例と少ないものの、すべてにおいて明らかな改善を認めた。 発表については、脳卒中後のアパシーに対する高頻度rTMSの効果について、2017年8月にAsia-Oceanian Congress in Neurorehabilitation 2017(フィリピン)にて発表を行った。また、2017年10月にはThe 8th Korea-Japan Joint Stroke Conference(新潟)にて、これまで行った脳卒中後の様々な症状に対するrTMSの適用について講演を行った。また同じく2017年10月に第1回日本リハビリテーション医学会学術集会秋季大会(大阪)において急性期のリハビリテーションの講演の中で急性期脳卒中に対するrTMSの適用、特に重度脳幹病変を有するLocked-in症候群がrTMSにより著明に改善した例を紹介した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予想していたよりも軽症の新規脳卒中患者が多く、症例数蓄積が遅れている。また、研究遂行においても、院内関係各所との具体的な調整に遅延し、開始自体が遅延した。これについては既に改善されており、現在は研究遂行上の問題はない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度は関係各所の調整および研究遂行に慣れるためにも、全て本介入のケースシリーズで運用したが、H30年度中にRCTもしくはCOTのプロトコルに移行予定である。また、重症脳幹病変者に対しては現在3例施行したところで症例報告予定。これについてはRCTやCOTといった偽刺激を混ぜることは倫理的に好ましくないため、ケースシリーズとして研究継続を予定している。
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Causes of Carryover |
初年度の研究開始が遅れたため次年度使用額が生じたが、現時点で特に問題が生じているわけではなくこのまま研究を遂行する予定である。
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Research Products
(6 results)