2019 Fiscal Year Research-status Report
高次脳機能障害に対する反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)と脳血流量変化
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17K10341
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Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 信幸 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (60328325)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳卒中 / リハビリテーション / 経頭蓋磁気刺激 / 麻痺 / 高次脳機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のように経頭蓋磁気刺激機器を治療的介入として用いることは医薬品医療機器等法において未承認であり、その有効性を検証するような研究デザインは特定臨床研究法に抵触することになった。そのため特定臨床研究法への申請準備を進めていたが、諸事情によりそれを諦め、病院における未承認医薬品等申請を行うことで治療としての使用許可を得たうえでの観察研究に切り替えた。そのため、rTMS遂行自体に大きな問題は生じないものの、評価としては、臨床上の必要性に応じて施行された検査等の後方視的分析となった。 昨年度から今年度にかけて、亜急性期~回復期脳卒中患者に対し、テーラーメード型のrTMSを行っている。上記の理由からSPECTをその参考にできる患者は減ったものの、CT/MRIにおける病巣や症状から患者に最も適していると思われるrTMS介入を行った。これまで脳幹病変患者に対するrTMSの報告は皆無であるが、亜急性期・回復期の脳幹梗塞・脳幹出血者に対しrTMSを施行し、基本動作能力の指標であるABMS2やADL指標であるFIMの内運動に係るFIMmがrTMS施行期間中に大きく改善していることを確認した。
2019年6月に第56回日本リハビリテーション医学会学術集会においてrTMSにより脳血流低下の改善を得られたケースを示した。2019年11月に第3回日本リハビリテーション医学会秋季学術集会において、脳幹病巣に対するrTMSの有効性について示した。2020年3月の脳卒中学会はCOVID-19の影響で延期され現時点でプログラムは未定である。本臨牀6月号にてrTMSの有効性について紹介した。日
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
特定臨床研究法に係る研究計画の変更やその諸手続きに時間を要した。また2019年10月に異動、2020年3月に退職等を挟んだため従来のエフォートでの研究遂行が困難であったのに加え、2020年からはCOVID-19の影響でrTMS施行自体を制限する必要が生じた。本報告時点においてもrTMS施行は中止したままである。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画の遅延により1年間の延長措置をとり、更に2020年4月から再度所属が変更となるため、あらためて新たな勤務先で機器の準備、未承認医薬品等申請を行っている。ただし、おりしもCOVID-19の影響もあり、治療行為であったとしても緊急性や優先度に応じた対応が求められているため、当面は研究が遅延することが推察される。 病院として施行が認めらるようになれば、未承認医療機器としてのrTMS治療を行い、その結果を後方視的に分析する。
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Causes of Carryover |
研究計画の変更や研究者のエフォートの変化や社会情勢の変化により予定通りの研究遂行ができなかった。次年度に延長して研究を継続し、成果をまとめるためにも次年度使用額を残した。
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Research Products
(3 results)