2020 Fiscal Year Annual Research Report
The Effect from Repetitive Transcranial Magnetic Stimulation (rTMS) for Higher Brain Dysfunction to Cerebral Blood Flow Changes
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17K10341
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
佐々木 信幸 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 教授 (60328325)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 高次脳機能障害 / 反復性経頭蓋磁気刺激 / リハビリテーション |
Outline of Annual Research Achievements |
反復性経頭蓋磁気刺激(rTMS)は磁気刺激を用いて脳内局所に渦電流を生成し、目的の脳神経活動性を制御する技術である。脳卒中後上肢麻痺に対する有効性は数多く報告されているが、高次脳機能障害に対する有効性は充分に検証されておらず、本研究ではアパシーや記憶障害に対するrTMSの効果について調べた。アパシーに対しては背側前帯状回(dACC)への高頻度rTMSを適用し、慢性期脳卒中ではRCTにおいて、発症早期ではケースシリーズにて有効性が確認された。発症早期のアパシー症例では、rTMS施行前後においてSPECTにおける前頭葉血流低下が著明に改善した。なお、アパシーに強く関与するのは脳幹腹側被蓋野から前頭葉内側面を上行するA10神経であり、脳幹病巣者では意識障害に加えアパシーも強く出現しやすい。rTMSの刺激を脳幹に直接到達させることは技術的に困難であるが、脳幹病巣の脳卒中患者においてもdACCへの高頻度rTMSでアパシーは著明に改善した。慢性期の記憶障害に対しては、dACCへの高頻度rTMS施行前後でWechsler Memory Scale-Revised(WMSR)の有意な改善は得られなかったものの、全体的に軽度改善を示した。言語性記憶が特に低下していた左視床出血の症例に対しては、SPECTで左背外側前頭前野(dlPFC)に限局する血流低下を認めたため、同部位に高頻度rTMSを施行したところ、著明な言語性記憶の改善とともに血流低下も改善した。SPECTを用いて症状の責任部位を特定し、そこを賦活するようなテーラーメード型のrTMSは有効であると考えられた。
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Research Products
(8 results)