2017 Fiscal Year Research-status Report
圧縮センシングを応用した新しい低線量乳腺トモシンセシスシステムの開発と臨床評価
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17K10373
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
五味 勉 北里大学, 医療衛生学部, 教授 (10458747)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鯉淵 幸生 独立行政法人国立病院機構高崎総合医療センター(臨床研究部), 臨床研究部, 臨床研究部長 (10323346)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | トモシンセシス / 乳がん / 被ばく線量 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.検討内容 今年度の検討目的は、低線量撮像条件下において、正常乳腺組織・微細病変の画像コントラストを保持、空間分解能の向上、アーチファクトと雑音低減を可能とした新たな画像再構成法[圧縮センシングを使用した画像再構成法とunsharp masking法を使用した鮮鋭化処理を組み合わせた画像再構成法、以下「線量低減用ハイブリッド再構成法」]の開発と基礎評価に取り組むことである。圧縮センシングを使用した画像再構成法は、従来の画像再構成法(従来法)と比較して空間分解能が劣化することが報告されている。この課題を克服するためにunsharp masking法を組み合わせて空間分解能の向上を図った。検証(ファントム実験)は標準投影データと標準投影データから間引き処理し投影数を半数にした減少投影データを使用して従来法と線量低減用ハイブリッド画像再構成法を使用して断層画像を生成した。生成した断層画像に対し、空間分解能と画像コントラストを計測して比較検討を行った。その結果、標準投影データと減少投影データから線量低減用ハイブリッド再構成法を使用して生成した断層画像は空間分解能と画像コントラストともに従来法と比較して改善することが可能であった。 2.意義 正常乳腺組織・微細病変の画像コントラストを保持、空間分解能の向上、アーチファクトと雑音低減を可能とした線量低減用ハイブリッド再構成法は、臨床で使用している通常の照射線量より少ない照射線量での撮像において有用性が期待できる。 3.重要性 乳腺トモシンセシス像の画質改善を図るため、画像コントラストの保持、空間分解能の向上、アーチファクトと雑音低減を目的とした線量低減用ハイブリッド再構成法は、被ばく線量の低減と微細病変の診断能向上を図るものであり、画像診断の精度向上に寄与できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の検討目標である、正常乳腺組織・微細病変の画像コントラストを保持、空間分解能の向上、アーチファクトと雑音低減を可能とした線量低減用ハイブリッド再構成法の開発・評価に関しては、おおむね研究計画通りに遂行できている。この理由として、研究施行前の予備実験からある程度の進展が予測できていたこと、早期から研究遂行のペースを堅持できたことによる。
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Strategy for Future Research Activity |
画像コントラストの保持、空間分解能の向上、アーチファクトと雑音低減を目的とした線量低減用ハイブリッド再構成法を開発できたことは意義が大きい。この成果を次年度の臨床評価に適用し、実用化できるよう慎重に検討を重ねていく予定である。
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Causes of Carryover |
基礎実験の一部を次年度に繰り越したため、基礎実験データの保存媒体として購入予定となっていたハードティスクとDVDメディアについて、研究初年度の見込みであった数量より少数で充足できたことが理由である。 次年度の使用計画として、実験データのバックアップ用で記憶媒体(ハードティスクもしくはDVD)を購入する予定である。
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Research Products
(3 results)