2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of post FDG radiopharmaceuticals-development of radiophameceuticals as p38 activity imageing probe -
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17K10378
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Research Institution | Osaka University of Pharmaceutical Sciences |
Principal Investigator |
平田 雅彦 大阪薬科大学, 薬学部, 講師(移行) (00268301)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | p38 / PET / SPECT / イメージングプローブ / 放射性医薬品 / 炎症性疾患 / COPD / リウマチ |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性疾患は確定診断が遅れると、治療開始の遅延により慢性化、不可逆的な機能障害を引き起こし、QOLが低下するため、早期確定診断法の開発が求められている。p38αは炎症性疾患発症の早期より過剰発現、活性化するため、診断、治療のターゲットとして注目されている。p38α活性をPETやSPECTで画像化し、把握することで、各種炎症性疾患の早期確定診断に繋がり、そのイメージングプローブの開発に期待が持たれている。本研究ではp38α活性イメージングプローブの開発を目的として、p38α阻害薬pamapimodの構造を基に新規SPECT用放射性ヨウ素標識プローブをドラッグデザイン・合成した。p38α阻害薬pamapimodの構造を基にした目的物であるヨウ素誘導体を総収率18.5 %で合成した。続いて、放射性ヨウ素標識体を合成するため、トリブチルスズ基を有する前駆体を収率90.3 %で合成した。さらに、常法に従い放射性ヨウ素標識を行ったところ放射化学的収率66%、放射化学的純度99%以上で目的の放射性ヨウ素標識体を得た。 得られた化合物はp38αに対して阻害活性を有することを確認した。ddYマウスを用いて本標識の体内分布を調べたところ、本標識化合物は各組織への速やかな移行性と組織からの消失を示した。また、甲状腺や胃への集積は認められず、生体内における本標識化合物の脱ヨウ素かは認められなかった。ここまでの検討から本標識化合物は放射性イメージングプローブとして基本的な性質を有するものと期待された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本年度の計画では化合物の合成を行い、放射性ヨウ素標識の前駆体の合成を完成させる予定であったが、合成が順調に進み、当初の予定より早く標識化合物の合成が可能になった。標識化合物の合成により、プレリミナリ―な動物実験を行うことができた。また、非放射性化合物のp38αに対する阻害活性の有無も確認することができた。したがって、当初の予定よりも早く研究が進展していると考えられる。p38α診断用放射性プローブとしての可能性を十分に確認できたことから、今後の研究の進展も大幅に進むものと期待される。
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Strategy for Future Research Activity |
合成した新規化合物の放射性医薬品としての評価を詳細に行っていく。まず、p38αに対する阻害活性の測定を行い、IC50値を算出するとともに他のキナーゼにおいても阻害活性を調べ本化合物の選択性について調べる。続いて、マウスを用いた体内動態を行い、昨年度に行った実験の再現性を確認する。さらに、各種炎症性疾患モデル動物を作成し、病態時における本標識化合物の炎症部位への移行性、集積性を調べるとともに本標識化合物の病変部位への集積がp38αの選択的な結合を介したものであることを確認する。さらに炎症性疾患のの発病次期とp38α発現の時期についてウェスタブロティング法を用いて詳細に調べ、病態とp38αの関連を考察するとともにp38αイメージングにより得られる情報が治療開始時などの治療方針決定に果たす役割について考察する。
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Research Products
(2 results)