2017 Fiscal Year Research-status Report
Feasibility study on a medical radioisotope Mo-99/Tc-99m production using He beam
Project/Area Number |
17K10381
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Research Institution | High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
萩原 雅之 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 放射線科学センター, 研究機関講師 (10450363)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八島 浩 京都大学, 原子炉実験所, 助教 (40378972)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 医療用放射性同位元素 / モリブデン99 / テクネチウム99m / ヘリウム / 加速器 / 核反応 / 放射化 / ジルコニウム96 |
Outline of Annual Research Achievements |
国内で最も多く利用されている放射性医薬品(テクネチウム:99mTc製剤)の原料となるモリブデン99(99Mo)については、現在その供給量のほぼ100%を輸入に依存しており、製造元の原子炉の老朽化や空輸でのトラブルによる供給不足が深刻な問題となっている。99Moの国内自給自足を想定すると、既存の原子炉を用いて、高濃縮ウランの核分裂反応や98Moの熱中性子吸収反応を利用する手法が供給量や技術的成立性の観点で最も有望と考えられるが、多大の費用と時間、社会的理解が不可欠である原子炉の新規制基準対応や、核不拡散上の懸念から、原子炉に依存しない加速器を用いた新たな99Mo製造技術の確立が期待されている。 本研究では、5 MeV/u程度の低エネルギーヘリウムビームを用いて96Zr(α,n)99Mo反応により99Moを製造する手法を検討している。この手法では反応しきい値付近のエネルギーを利用するため、他の手法に比べて副産物RIが少なく高い比放射能を有する99Moが製造できる可能性がある。初年度は、ヘリウムビームをnatZr試料に照射し、96Zr(α,n)99Moの励起関数測定を行った。 照射実験は放射線医学総合研究所HIMAC中エネコース等で行った。5 μmのnatZr箔とnatTi箔を交互に合計35枚スタック状に重ねて照射試料を作成し、核子当り6 MeVのヘリウムイオンを照射した。照射ターゲットをスタック状に分割することで、それぞれの試料からは、入射エネルギーの異なったヘリウムイオンにより生成された放射能のデータが得られた。それぞれの試料から放出される核種固有のエネルギーを持つガンマ線を高純度Ge検出器で測定し、IAEAが提供するnatTi(α,x)51Crの標準断面積を基準として96Zrからの99Mo生成に対する励起関数を導出した。 荷電粒子入射に伴って生成する中性子の予備測定も行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度のため、加速器のマシンタイム申請や実験準備に手間取ったが、予定通りに実験が遂行できており、研究はおおむね順調に進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は96Zr(α,n)99Moの励起関数だけでなく、副産物として生成される可能性のある医療用途には必要のない放射性同位元素(Nb同位体)に対しても励起関数測定も行い、本システムで生成される99Mo含有試料の比放射能や同位体放射能の評価を行っていく。また、荷電粒子入射に伴い発生する中性子の測定も行い、必要な遮へいや残留放射能の評価も実施していく。
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Causes of Carryover |
次年度2018年4月に開催された国際会議参加費等を2017年度の使用予定額に含めていたため。
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