2018 Fiscal Year Research-status Report
Automatic extraction of damaged myocardium on a short scan time T1 weighted MR image, and its objective assessment.
Project/Area Number |
17K10391
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
齋藤 春夫 東北大学, 医学系研究科, 教授 (90170521)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MRI / 心臓 / 心筋梗塞 / 大血管 / 心筋症 |
Outline of Annual Research Achievements |
ファントーム実験で、開発した撮像法(Dual Contrast Blood:DCB 撮影法)では、大血管内、心腔内のSlow flowが高信号域を形成しないことを確認した。拍動流を供給するポンプにより、大血管ファントームに拍動流を供給して大血管や心腔内血流を模擬し、2 次元、及び3 次元のDCB 撮影法で撮像することにより、開発した3 次元DCB撮像法は、撮影後に心腔を多方向から観察できる、心腔内のSlow flow によるアーチファクトの無い血流腔が低信号となる(BlaB )撮影法であることを確認した。研究成果は、ISMRM 2018年総会(パリ、6月)で報告した。 臨床症例では、DCB 撮影法で心臓大血管の臨床画像を撮像した。 心臓の診断では、遅延造影巣の信号が従来法に比してやや低く、心筋梗塞以外の心筋障害の把握を目的とした心臓MRIの撮影法としては、さらなる改善が必要と考えられた。心筋梗塞症例においては、従来法による遅延造影画像と2次元のDCB 撮影法によるBlaB画像による遅延造影像とを撮像し、BlaB画像による遅延造影像では従来法よりもやや小さい範囲が造影域として描出されたが、梗塞巣は正常心筋、左室内腔と明瞭に区別できた。研究成果は、ISMRM 2018年総会(パリ、6月)で報告した。しかしながら、心筋梗塞以外の症例(心筋症など)では、淡い遅延造影域の描出が従来法よりもさらに不明瞭となっており、さらなる撮像法の改善が必要と思われた。 遅延造影巣と正常心筋との自動抽出を、いくつかのソフトウエア合わせて行った。心筋梗塞巣の自動抽出は可能ではあったが、心筋梗塞巣以外の抽出は困難で、撮像法の見直しが必要と思われた。最近なり、新たな高速撮影法が開発されたので、新法により心筋梗塞以外の症例の画像改善を図り、自動抽出につなげることを計画している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開発した撮像法(Dual Contrast Blood:DCB 撮影法)は、ファントーム実験ではアーチファクトが少ない撮像法であるが、心筋梗塞以外の障害心筋の遅延造影域の信号が従来法よりもやや低い結果であり、心臓MRI、特に心筋梗塞以外の心筋障害の撮影法としては、さらなる改善が必要と考えられた。最近になり、新たな高速撮影法が開発されたので、新法により心筋梗塞以外の症例の画像改善を図り、自動抽出につなげることを計画している。 心筋梗塞症例以外では遅延造影域が不明瞭であったため、遅延造影域の自動抽出の準備が遅れている。心臓大血管の臨床例、とくに心筋梗塞症例において、DCB撮影法と従来法による遅延造影画像を比較し、DCB撮像法では、心腔などのSlow flowによるアーチファクトの低減は十分に可能であるが、遅延造影巣の信号が従来法に比してやや低い結果であり、改善に努めている。遅延造影域と正常心筋との自動抽出については、いくつかのソフトウエアを合わせて行うことで、目的を達成できることがわかり、心筋梗塞巣と正常心筋の自動判別が可能なことがわかった。今後、新たな撮影法により、心筋梗塞以外の症例において遅延造影域が従来葉よりも明瞭な画像となるよう研究をすすめ、自動判別につなげる予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
開発した撮像法(Dual Contrast Blood:DCB 撮影法)の微調整をする。DCB 撮影法はファントーム実験ではアーチファクトが少ない撮像法であるが、心筋梗塞以外の障害心筋の遅延造影域の信号が従来法よりもやや低い結果であり、心臓MRI、特に心筋梗塞以外の心筋障害の撮影法としては、さらなる改善が必要と考えられる。具体的には撮像断面厚の調整、撮像Sequenceなどの微調整など多岐にわたるが、徐々に信号強度の上昇が認められてきている。さらに、新たに必要と考えられたファントームを追加し、研究を進める。また、新たに開発された撮影法を導入し、特に心筋梗塞以外の症例における遅延造影を模擬し、遅延造影域がより明瞭に描出できるかを検討する。 臨床症例の集積は、さらに心筋梗塞例を中心に行うが、その他の心筋障害例の収集も新たな撮像法を中心に行い、遅延造影域の信号強度が増した画像を収集する予定である。 遅延造影域の自動抽出法についての研究は、複数のソフトウエアを組み合わせることで遅延造影域の自動抽出が可能となるめどがついた。心筋梗塞巣と正常心筋域との自動識別の研究をさらに進める、心筋梗塞以外の症例においても遅延造影域の信号強度を十分に高くできた段階では、心筋梗塞以外の心筋障害巣の自動抽出に研究を広げる。
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Causes of Carryover |
遅延造影域の自動抽出法についての研究を進めるためにソフトウエアを導入予定であったが、遅延造影域の信号強度が、とくに心筋梗塞以外の心筋障害域の信号強度が不十分であったため、遅延造影域をより高信号域として描出するための微調整に手間取った。さらに、新たな撮像法が開発されたので、これへの対応に時間が必要であった。 現在、心筋梗塞以外の心筋障害域もより高信号域として描出可能となってきている。自動抽出ソフトウエアで、心筋梗塞域と正常心筋域との自動識別の研究を継続し、心筋梗塞以外の心筋障害域の自動描出に研究を進める。しかしながら、心筋梗塞以外の心筋障害域の遅延造影は淡いので、領域の自動判別には新たなソフトウエアの導入が必要である。 現在までの研究で、ファントームに必要な要件も明らかにできたので、ファントームに追加機能を持たせるべく改良する。
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