2017 Fiscal Year Research-status Report
多機能型超高感度線量計の開発と被曝線量データベースの構築
Project/Area Number |
17K10392
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
洞口 正之 東北大学, 医学系研究科, 名誉教授 (20172075)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
X線透視下によるIVRは、患者の救命や生命予後改善等に極めて有用であり広く普及しているが、X線透視撮影時間が非常に長くなる傾向にあるため、IVR時の被曝増加が重大な問題となっている。さらに一般X線検査などの低線量な医療被曝に対しても国民の関心は非常に高い。また放射線診療に伴う患者個人の被曝線量を、簡便に管理できる安価なシステムは無い。そこで申請者等は一般撮影からIVRまで測定可能な線量計の高感度化、すなわち低線量被曝も正確に測定できる高感度リアルタイム被曝線量計を、先駆けて開発を行うことが目的である。(なおセンサーとして毒性の強いカドミウム(Cd)は使用しない。) センサー部の小型化と良好な方向依存性を兼ね備えた検出部の開発を目指す。さらに通信機能を備えかつデータ管理機能も有するなどの多機能型の高感度リアルタイム被曝線量を行うシステムへの展開を目指す。そのための平成29年度は以下の検討を行った。 1.X線センサー部の開発と検討等 高感度X線シンチレータを用いて検討した。センサーの形状やX線シンチレータと光ファイバーケーブルとの接続方法について種々検討し、集光効率を高め高感度化および感度の方向依存性をの少ないX線検出部を試作した。 2.X線検出部(試作センサー)の診療用X線透視撮影における特性基礎評価 X線検出部(試作センサー)ついて実際の診療用X線装置を使用して、X線透視およびX線撮影を行い評価した。また旧来のSDM線量計で使用されていたCd蛍光体と諸特性を比較した。当実験はX線管電圧や線量率等を変化させて詳細に行った。また電離箱式基準線量計との相互比較も行った。その結果、開発したX線検出部(試作センサー)は良好な特性があることが確認できた。(連携研究者:千田浩一)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
良好な特長を有するX線検出部(センサー)の開発、試作を行うことができた。そして線量計検出部に関して、特許出願を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
試作開発した検出器(X線シンチレータセンサー)を使用し、さらに光ファイバとフォトダイオードを用いた高感度リアルタイム線量計の開発を行う。
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Causes of Carryover |
平成29年度に予定していたプロトタイプ測定器の購入を、平成30年度に購入することにしたため次年度使用額が生じた。次年度使用額は、平成30年度の助成金と合わせて線量計開発実験等に係る測定器購入費として使用する計画である。
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Research Products
(5 results)