2018 Fiscal Year Research-status Report
拡散・造影MRIとディープラーニングを併用したスーパーハイブリッド乳癌悪性度解析
Project/Area Number |
17K10394
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
川島 博子 金沢大学, 保健学系, 教授 (70293355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮地 利明 金沢大学, 保健学系, 教授 (80324086)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳癌悪性度 / 造影MRI / 拡散MRI / ディープラーニング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は造影MRI および拡散MRI のtriexponential 関数解析の情報を中心に,ディープラーニングによる解析を行い,乳癌の悪性度を術前に層別化できるプログラムの開発を目指したものである.昨年度までのルミナル乳癌の解析では,triexponential 解析における自由拡散成分,制限拡散成分,潅流成分の3項目の拡散係数のうち,制限拡散成分がKi67高値群で有意に低いことが示された.またダイナミックMRIの指標であるSER(signal enhancement ratio)が,Ki67高値群で有意に高いことが示された. 以上の結果をふまえ,次のステップに結びつけるための作業を開始した.造影MRI所見を機械学習に結びつけるため,全乳癌症例に対し,腫瘍部に関心領域を設定し,特徴を抽出する作業を継続している.治療開始前に乳癌の悪性度,すなわち予後を予測することが最終的な目標であるが,比較的予後が良好な悪性腫瘍である乳癌は予後の把握に時間を要する.欧米では遺伝子検査による予後予測結果と対比する手法が一般的だが,本邦では残念ながら遺伝子検査は普及していない.よって,まず機械学習の効果を確認するための第一の課題を,乳癌術前化学療法の病理学的完全奏功の予測に設定した.術前化学療法を行って病理学的完全奏功を得られた症例と得られなかった症例の2群に分け,病理学的完全奏功の予測に重要な造影MRIの特徴因子の抽出を現在試みている.造影MRIの因子抽出が終了したのちは,同様に拡散MRIに対して関心領域の設定を行い,病理学的完全奏功の予測に重要な拡散MRIの特徴因子の抽出を試みる予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
MRI装置の更新,工事に伴う検査枠の減少で,当院で乳腺MRI検査を施行できない症例が増え,MRI施行件数が当初の見込みより伸び悩んでいる.
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Strategy for Future Research Activity |
現在行っている,造影MRI所見からの機械学習のための有効な特徴抽出に平行して,拡散MRIの関心領域設定,特徴抽出を行う.最終的には造影MRIのみ,拡散MRIのみ,造影MRI+拡散MRIのうち,どれが化学療法の効果予測に最も有効かを導き出す.
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Causes of Carryover |
課題の最終目標のためのデータ解析に時間を要し,今年度の期間内に予定した学会発表や論文投稿ができなかったためである.この一因として,機械学習に結びつけるための画像の特徴抽出プログラムを走らせるには,現在使用しているパソコンの処理能力が不足しており,作業が思うように進まないという問題もあった.次年度は使用計画を修正し,パソコンの更新も考えている.また当然のことながら,成果をまとめ,学会発表,論文投稿を行う予定である.
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Research Products
(2 results)