2017 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化初期病変の造影MR画像と病理像の対比:WHHLウサギを用いた研究
Project/Area Number |
17K10400
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
村上 陽子 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (90796145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 哲久 滋賀医科大学, 医学部, 准教授 (40324587)
渡邉 尚武 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (60570364)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 動脈硬化 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
従来血管プラーク評価に用いていたウサギの胸部大動脈MRI画像は心拍動や呼吸のアーチファクトが強い。腹腔動脈分岐部~右腎動脈分岐部レベルの腹部大動脈の画質が比較的安定した為この範囲の撮像に変更した。撮像方法も3T MRIでbody coilを使用、T1/T2 bladeを用いmatrixは0.5mm×0.5mm×3.5mmだったが、空間分解能不足を考え、コイルの種類、撮像方法も再検討した。neck coilとsurface coilを用い、black blood法で、T2-FS、T1 bladeで0.25mm×0.25mm×4mmの空間分解能を得た。腹部大動脈を垂直に撮像するシークエンスはwhite blood法を加え、T2-FS、T1 bladeで0.23mm×0.23mm×4.0mmの空間分解能を得た。決定した撮影方法で複数のウサギの大動脈を撮影、比較的安定した大動脈の画像が得られることを確認した。臨床での使用も見据え極力低いSPIO投与量でのプラークの可視化を試みた。19、28、31月齢のWHHLウサギに各々10倍量のUSPIO(80μmol/kg)を投与、19月齢のウサギに50倍量のUSPIO投与し各々投与前後のMRIの撮影をした。いずれも投与後の信号低下が視覚的に不明瞭であった。これらのウサギは投与後MRIの撮影後、灌流固定を行い大動脈をホルマリン固定した。USPIO(15mgFe/ml)の20、2×102、2×103、2×104、2×105、2×106倍希釈液を用意し、T2-FS、従来のT2 bladeで撮影、2×103倍希釈液まで信号低下を認めた。同じ19月齢のウサギの取り出した大動脈をUSPIO 10倍投与量と50倍投与量のもので並べてT2-FSで撮影、視覚的に50倍投与量の大動脈は明瞭に認められ、USPIOをより多く取り込んでいることを反映していると考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
より、明瞭に動脈硬化を描出するためにMRIの撮像方法の改良、変更を行う事としたため、シークエンスの検討などに時間を要したため。 空間分解能の向上がえられたため、今後の研究の研究結果に良い反映がなされると考えます。
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Strategy for Future Research Activity |
29年度の半ばにWHHLウサギの供給が29年度中で停止することが判明した。そのため、29年度中にこの研究全体で必要とされるWHHLウサギを一括購入した。(前倒し請求にて科研費頂き購入済み)これにより、若い月齢での研究が行えなくなり、計画とは異なる月齢での研究となる。 今後はこれまでに取り出したウサギの大動脈の標本を作製し、鉄が泡沫細胞に取り込まれていること、USPIOの投与量に依存して取り込まれた鉄の量が増えているかを確認する。また、撮影した大動脈の信号の定量評価を行い、USPIO投与前後で有意な信号変化の有無を確認する。同時に100倍量のUSPIOを投与してMRIの撮影を行い、視覚的にも定量的にも信号変化がないかの確認を行い、組織学的にも確認を行う。もしも組織学的に泡沫細胞への鉄の取り込みが確認できているのにMRIで検出できないときにはプロトコールの再検討を行うことを予定している。
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