2017 Fiscal Year Research-status Report
イメージングバイオマーカーとしての実効横緩和率の有用性および標準化に関する検討
Project/Area Number |
17K10404
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大西 裕満 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (20452435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 雅敏 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00346206)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イメージングバイオマーカー / 磁気共鳴画像 / 実効横緩和率 / R2*値 / 肝 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁気共鳴画像(MRI)における実効横緩和率(R2*値)は組織における鉄沈着の評価に優れており、定量的イメージングバイオマーカーとして用いることが可能である。このR2*値を臨床に応用するためには、適切な正常基準値の設定し、収集方法の標準化を検討する必要がある。本研究の目的はこれらの課題を解決するとともに、R2*値の異常が健康に及ぼす影響について検討を行い、R2*値のさらなる臨床的有用性を追求することである。 本研究では、まず、肝、膵、脾などの腹部臓器の実質のR2*値について性別や年齢との相関も含めて調べていく。その際、対象を正常例に絞り込むため、肝疾患の既往歴や血液検査における肝機能値、脂肪肝の有無などについても併せて検討する必要がある。初年度は腹部臓器のR2*値に関するこれまでの学術報告を改めて収集し、解析に必要なデータの項目を詳細に検討し、倫理委員会へ本研究を申請するための準備を行った。 また、本研究では、R2*値の標準化のために、メーカー間、装置間の測定値の差異や再現性などについても評価していく。この場合、生体を用いて検討することは現実には容易ではないため、MRI用ファントムを作成して検討を行う。初年度は超常磁性酸化鉄および塩化鉄を配合してさまざまなR2*値を有するMRI用ファントムを作成した。その際、本研究に適した特性を満たすよう改良も行った。今後、各種のMRI装置で本格的に撮影を行い、標準化のための検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
腹部臓器のR2*の正常基準値に関する検討においては、事前の解析方法に関する検討に時間を要したため、まだ解析を開始できていない。倫理委員会への申請が承認され次第、解析を開始する予定であり、当初の予定からはやや遅れが生じているものの十分回復可能と考えられる。 一方、ファントムを用いた計測の標準化に関する検討は順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度は、腹部臓器のR2*の正常基準値に関する検討においては、倫理委員会の承認が得られ次第、データの解析を行い、結果をまとめていく。計測の標準化に関する検討についてもファントムを各種MRI装置で撮影したデータを解析し、引き続き研究を進めていく。 また、鉄沈着が非常に強い場合の測定方法の限界の評価についても高濃度の鉄分を含有するファントムを作成して行う予定である。 平成32年度までの研究期間に、R2*値の解釈法の解明、R2*値の臨床的意義の解明についての検討も行う。
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Causes of Carryover |
予算案を策定した時期と予算を執行した時期の間に購入物品の価格に多少変動があったため、少額ではあるが次年度使用額が生じた。当該額に関しては実験資材の購入に充てる予定である。なお、当該額は次年度に使用することによって、より研究が進展することが見込まれる。
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Research Products
(2 results)