2019 Fiscal Year Research-status Report
イメージングバイオマーカーとしての実効横緩和率の有用性および標準化に関する検討
Project/Area Number |
17K10404
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大西 裕満 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (20452435)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 雅敏 神戸大学, 医学研究科, 特命教授 (00346206)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | イメージングバイオマーカー / 磁気共鳴画像 / 実効横緩和率 / R2*値 / 肝 / 鉄含有量 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は磁気共鳴画像(MRI)における実効横緩和率(R2*値)を臨床での肝疾患の病態評価に応用するために、適切な正常基準値の設定し、収集方法の標準化を検討するものである。 平成31年度(令和元年度)は、前年度より継続してMRIにおける腹部臓器の実効横緩和率(R2*値)の正常基準値に関する検討を行った。前年度は、multiconfounders-corrected chemical shift-encoded MR imagingより算出された実効横緩和率(R2*値)の計算画像(R2* マップ)の測定を行い、そのデータを用いて、一部解析を行った。今年度も引き続き解析を行い、肝のR2*値の解析結果を従来の他の手法による肝内の鉄含有量と比較し、その妥当性について様々な面より検討を行った。例えば、正常肝の乾燥状態での鉄含有量は、メーヨークリニックのデータでは、男性で200-2,400 μg/g、女性で400-1,600 μg/gとされており、男性の方が女性より鉄の含有量が多い傾向にある。肝の鉄含有量を正確に反映するとされているR2*値においてもこのような傾向が認められるか検討を行った。最終的に、我々は臨床的にも有用性のある結果を得ることができたと考えられたため、この研究成果については令和2年度に学会や論文で発表する予定にしている。 肝内において鉄が過剰になると鉄の酸化作用が組織に様々な有害な影響を及ぼし、最終的には重大な肝疾患の発症をもたらしうる。肝実質のR2*値の正常値について詳細に検討し、適切な上限値を設定することでわずかなR2*値の異常値から初期の段階で病気を診断することが可能となるかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
腹部臓器のR2*の正常基準値に関する検討についてはほぼ順調に進捗している。 ファントムを用いた計測の標準化に関する検討についてもほぼ順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和2年度は、本研究課題の最終年度であり、これまで行ってきた腹部臓器の実効横緩和率(R2*値)の正常基準値に関する検討の結果について学会および論文などで発表していく予定である。 また、可能であればウイルス性肝炎など疾患を有する群におけるR2*値なども測定し、正常群との差異などを検討できればと考えている。 それと同時にR2*値の標準化のために行ってきたファントムを用いた研究に関するデータもまとめ、これらについても学会および論文などで発表していきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルス感染の拡大により海外で開催予定の学会が中止になり、その出張がとりやめとなったために予算に余剰が生じた。なお、当該額は次年度の学会出張のために使用することを考えている。
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Research Products
(1 results)