2020 Fiscal Year Research-status Report
Study on high accurate quantitative method to measure white matter using phase and diffusion information of MRI
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17K10411
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
米田 哲也 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 准教授 (20305022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 弘司 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 助教 (20237936)
北島 美香 熊本大学, 大学院生命科学研究部(保), 教授 (60305018)
國安 明彦 崇城大学, 薬学部, 教授 (90241348)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MRI / ミエリン / 変性疾患 / 位相画像 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に引き続き、使用する動物用MRIが使用できなかったため、それまで解析法の改良に努めた。これまで32個の異なるTEで解析をすることで精度を上げるようにしたが、臨床に用いる場合は、6つのTE程度が限界であるため、臨床条件を考えて、一昨年度までに手に入っていたデータを用いて検討を行うこととした。この際、動物用7T-MRIから人用3T-MRIに磁場強度落とすことで、TEに比例する位相信号の低下を考えて、7TでTE=18 msで取得したデータに対応する3Tで18*7/3=42 msが最長TEとシミュレートできるように最長TEを選び、仮想的に7T-MRIデータから計算を行った。また、T2*効果による信号の減衰や静磁場の違いによる効果を換算するため、信号ノイズを人為的に入れ、信号・ノイズ比をTEと磁場強度に応じて、信号を変化させてシミュレートを行った。 シミュレーションの結果、7Tでえられたミエリンマップに近い結果が得られたが、ノイズのために近似精度が落ちており、この克服のために3T-MRIでは最短撮像時間から約1.5倍の撮像時間をかけて信号を取得する必要があることが、付加するノイズを調整する研究で明らかとなった。この点は、対象とする変性疾患を3T-MRIで撮像する際の弱みとなるため(変性疾患患者は動きがあるため、撮像時間の延長が難しい)、撮像時間を短縮する撮像法の検討を行うことが必要となる。 動物用MRIは昨秋には使用することが可能になったが、その時点で新型コロナウイルスの影響を受けて、使用する環境になく、実験を行うことを断念して、昨年度は上記シミュレーションによる研究のみの結果となったため、再度1年の研究期間延長申請を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
動物用MRIが秋頃まで使用できなかったことに加え、新型コロナウイルスの影響で、窓を開放できないMRI施設の使用が難しく、さらなる撮像を伴う研究の遂行ができなかった。さらに、最終年度に予定していたヒトへの臨床応用研究は全く行うことができず、実験の観点からは著しく進捗がなかった。しかしながら、理論的考察を経てシミュレーションによる、3T-MRIを想定した臨床応用のための研究が進んだため、判断をやや遅れているとした。次年度は、シミュレーションだけではカバーできない、シークエンスの検討などを行う必要があるため、実験を行うことが必要となるであろう。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床検討を進めることが極めて難しいため、本研究の最終年度の目標を、3T-MRIを用いて撮像を行い、データ解析が可能になる程度の信号ノイズ比を得るための撮像条件を、現在のデータからシミュレーションと、少ないデータでも、(臨床撮像ではない)動物用MRIや臨床機を用いた撮像データの取得とシミュレーションに基づく解析が目標である。しかしながら、臨床研究は新年度開始時点で極めて見通しが悪く、動物用MRIも立ち入りできる人数が限られるなどの問題があるため、状況は不透明である。 万が一、MRIの使用が不可能である場合は、Lin4neuroプラットフォーム内にあるFSLとMRIシミュレーターを用いて、撮像自身をコンピュータ上でシミュレートして、本年度行った解析と同様にして、3T-MRIへの技術の移行が可能であるかを検討したいと考えている。
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Causes of Carryover |
本年度論文投稿を考えていたが、様々な要因のため、発表するまでの結果を得ることができず、成果発表用として考えていた助成金が残額として残った。次年度は、この資金を用いて、成果発表を行ってゆきたい。
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