2017 Fiscal Year Research-status Report
Design of a high performance X-ray camera to visualize human soft tissue
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17K10418
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
安藤 正海 東京理科大学, 研究推進機構総合研究院, 教授 (30013501)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 哲也 山形大学, 大学院理工学研究科, 教授 (30240146)
市原 周 独立行政法人国立病院機構(名古屋医療センター臨床研究センター), その他部局等, 医師 (30426499)
江角 浩安 東京理科大学, 研究推進機構生命医科学研究所, 教授 (70160364)
杉山 弘 大学共同利用機関法人高エネルギー加速器研究機構, 物質構造科学研究所, 助教 (80222058)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | X線 / 放射光 / X線暗視野法 / 医用画像 / 病理検査 / 病理標本 / 臨床応用 |
Outline of Annual Research Achievements |
2000年前後からX線暗視野法光学系開発を続けている。この開発の過程で重要な役割を担ってきた観測機としてのX線CCDカメラに注目した。開発当初は臨床応用を狙って視野を広げるために対角線の長さで60mm(水平48mm、垂直36mm)のカメラを購入した。しかしながらカタログ値12.5ミクロンは得られず測定によると50ミクロンと判定された。その頃ちょうどCTアルゴリズムが共同研究者湯浅教授と研究代表者研究室大学院生マクシメンコ・アントンにより完成され高性能カメラの入手は必須であった。一方、病理検査に使えることを目標に同じ英国製のピクセル3ミクロン、ピクセル数1000 X 1000、視野の大きさ3mm x 3mmのカメラも入手した。これはシステムの空間解像度測定に用いられ一定の成果を上げることができた。しかしながら問題は病理検査の対象の試料の大きさ水平40mm、垂直30mmに見合うカメラの入手出会った。幸いに同社からピクセルの大きさ7.4ミクロンの商品が発売され長らく使ってきた。ところが最近になりX線光学素子である透過型角度分析板(LAAと省略)を薄くする技術を開発して来た結果現在の空間解像度8.5ミクロンを上回る2-3ミクロンが到達できそうな状況になってきた。これに合わせてX線カメラの整備を急ぐ必要性が生じた。ところが従来のカメラの発売元からはこれ以上の性能のカメラの開発ニュウスが伝わらなくなった。そこで自力で開発する必要性が出てきた。このために調べるとわが国は世界有数なカメラ王国であること、さらにX線を可視光に変換できる世界に例を見ない優れたX線蛍光板も開発されていることが分かった。そこでこの二つをむすびつけて新型高性能X線カメラを自作することとした。これに基づき本年度はX線カメラの基本部品を購入した。暗箱は設計はしたが発注はまだである。単体での性能測定を最優先した結果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2000年前後の開発状況から判断すれば今日の高性能X線カメラへの必要性は予期することは難しかった。ただしX線暗視野ほうが広く世間に受け入れられ、特に病理検査において使われるようになるためには光学顕微鏡の世界と同等の空間解像度が必要であることは途中から気がついた。しかしながらX線光学系安定のためLAA厚さは2000ミクロンからスタートした。最初からLAAを薄くすると空間解像度が上がることは直感で知っていた。じきに高木・トーパン方程式を用いた結晶板の中のX線波動場の計算により厚さと空間解像度は深い関係にあり薄くすれば空間解像度が上昇することが判明した。何も補助が不要な自立型のLAAの厚さ限界はおよそ500ミクロンである。問題はこれ以下の厚さにどのようにするかであった。厚い板の真ん中に薄い板を作製するアイディアを思いついた。この開発は別途行ない民間組織の協力を得て現在進行中である。空間解像度2-3ミクロンを達成できるLAA厚さは60ミクロンである。一方、この厚さ以下ではX線波動場がもはやX線動力学理論限界以下になり運動学理論の範疇に入ってしまう。これが薄い方の限界である。この厚さを歪みなしで実現することは難しい面が多々あったが開発を開始してからほぼ4年が経過した今年2月にようやく3枚を作成したところ一枚が理論どおりの振る舞いをすることが判明した。これをもってX線カメラが開発されればシステム全体を2-3ミクロンにもって行くことができる状況が整いつつある。
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Strategy for Future Research Activity |
60ミクロン厚さのLAA作製の打率を上げることを進める。現在はほぼ3割の打率である。これを7割打率にもって行きたい。本科研費の主目的である高性能X線カメラの実現に向けてテストを繰り返し、暗箱設計に役立て暗箱を完成させたい。これにより放射光実験現場において空間解像度の評価を行なうことができる見通しである。かつ実際にCTデータを取得することになると期待されるので開発のペースを上げて行きたい。LAA厚さ60ミクロンが一枚ではあるが達成されているのでこれを用いて空間解像度測定を行なう。従来は1ミクロン厚さのタングステン製のメッシュを用いた測定した。そのため35keVエックス線に対しては透過率が99.9%であるため空間解像度測定が難しかった。ところが金製で100ミクロン高さのグレーティングを入手することに成功した。これにより空間解像度測定に何らの支障もないことになった。これらの道具立てのおかげで2-3ミクロン空間解像度における病理標本を中心としたX線画像が得られる見込みとなった。
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Causes of Carryover |
暗箱の設計は完了した。見積額も確定したが376,166円では少し不足することが分かった。そこでこれを次年度科研費配分額と合わせて執行することにした。もう一つの理由が発生した。カメラとX線蛍光板を組み合わせて暗箱なしで一回テストすることとした。計算どおりの輝度が得られるかなどの確認をすることとした。これにより高機能の暗箱を設計することにつながると考えた。これら二つの理由により予算額残額を次年度持ち越しにすること次年度予算と合算して暗箱を購買する計画とした。
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Research Products
(13 results)
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[Book] Application of Synchrotron Radiation2018
Author(s)
Masami Ando, Naoki Sunaguchi, Yongjin Sung, Daisuke Shimao, Jong-Ki Kim, Li Gang, Yoshifumi Suzuki, Tetsuya Yuasa, Kensaku Mori, Shu Ichihara, and Rajiv Gupta
Total Pages
287-342
Publisher
World Scientific Publisher
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