2018 Fiscal Year Research-status Report
Evaluation of chronic kidney disease-related cardiomyopathy using T1T2 mapping MRI
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17K10419
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
天野 康雄 日本大学, 医学部, 教授 (30281421)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 康之 日本大学, 医学部, 助教 (60793643)
松本 直也 日本大学, 医学部, 教授 (80277441)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | MRI / 心筋T1T2値 / 慢性腎臓病 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は腎機能障害例を順調に集積し、2017年度からの集積症例を合わせて40例強と、ほぼ目標に到達した。診療録を共同研究者と調査して、MRI検査時に急性腎障害例や造影剤腎症が示唆された症例は対象から除いた。その結果、慢性腎臓病(CKD)の症例でMRIが施行された症例数は40例であり、正常コントロール群11例とともに、心筋T1T2値を検討した。 まず両群で心筋T1T2 mappingは順調に施行され、心室中隔の心筋T1T2値を計測できた。また患者群ではシネ画像を用いた心機能の評価も可能であった。本研究の症例では、その腎機能障害のためにガドリニウム造影剤は使用できなかった。 MRIで測定された心筋T1T2値には、正常者群とCKD症例群との間で有意差があった。とくに心筋T2値で差異が顕著であった。すなわち、心筋T1T2値ともに正常者に比べ、CKD症例では有意に高値であり、CKD関連心筋障害の存在がMRI T1T2 mappingによって強く示唆された。また透析症例では心筋T1値も上昇する傾向であったが、さらに症例数を増やすべきと考えた。 T1T2 mappingにたいするヒストグラム解析やそのほかの定量解析は施行していない。また予後と心筋T1T2値との関連性は不明確であるが、すでに大動脈疾患の手術が予定されていた症例も含まれていたことから、心筋障害にくわえて大血管病変の進行と関連している可能性があると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
正常者及び該当疾患の症例がほぼ目標症例数に達したため、おおむね順調と判断した。症例の中には慢性腎臓病でない腎機能障害例があり除外したが、患者対象は40例に達した。以上より二群間の心筋T1T2値の対比や心機能との相関を統計学的に検討するのにほぼ十分な症例数に、現段階で達している。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性腎臓病症例を今年の6月まで集積し、まずは今回得られた心筋T1T2値の有意差を確定する。次いで腎機能低下の程度と心筋T1T2値との相関や、心機能とのT1T2値との相関を検討する。そして、MRI検査後1年を経過した症例から、順次その転機を追跡し、心イベントや予後とMRI所見との関連性を検討して成果をまとめ、学会発表や論文発表に進む。今のところ、心筋生検を施行して病理像とMRIとを対比しえた症例はないが、上記の転機の追跡中に該当症例がある場合には病理診断科の指導も仰ぎたい。
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Causes of Carryover |
当初予定していた設備備品が、既存の設備とフリーソフトウエアでその機能をまかなえた為に次年度使用額が生じた。これは学会発表や論文発表の増加、およびこれに伴う英文校閲などに使用する予定である。
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