2019 Fiscal Year Research-status Report
マイクロカテーテルのカニュレーション難易度解明と科学的トレーニングシステムの開発
Project/Area Number |
17K10427
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
曽山 武士 北海道大学, 大学病院, 助教 (00794059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
工藤 與亮 北海道大学, 医学研究院, 教授 (10374232)
阿保 大介 北海道大学, 大学病院, 講師 (30399844)
作原 祐介 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (40374459)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | マイクロカテーテル / カニュレーション / カテーテライゼーション / 難易度 / 血管模型 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、予備検討として、従来の先端非可動型マイクロカテーテルを使用してカニュレーションできなかった、またはカニュレーションできたが60分以 上 を要した標的血管を "Challenging Vessel" と定義し、14のChallenging Vesselに先端非可動型マイクロカテーテルと先端可動型マイクロカテーテルを用い てカ ニュレーションを試みた際の、カニュレーションの成功率とカニュレーションに要する時間を後方視的に解析し、結果を2017年9月のIVR research meeting(東 京)で発表した。この結果については現在論文を執筆中である。 平成30年度は、前年度に購入した3Dプリンター (Foam2/キャノンライフケアソリューションズ)を使用して、柔軟性のある不透過性の素材で、内腔のある血管模型(中空モデル)の作成方法を確立した。我々が確立したのは、1.Dynamic CT(早期動脈相)のDICOM画像をInVesaliusでSTLに変換する、2.MeshLabでトリミング&修正す る、3.Meshmixerで中空構造を作成する、という手順である。この方法により、最大で長径11cmの腹部血管模型を、壁の厚さ0.5mmで作成するに至った。 平成31年度(令和元年度)は、前年度に確立した手法を更に発展させ、標的血管の分岐角度が異なるよう3D CADでデザインした大動脈弓の血管模型を作成し、カニュレーションの実験を開始した。この実験の目的はType Ⅲ archの分枝へのカニュレーションの難易度が、分岐の高さ(archの上縁からの距離)だけでなく分岐の角度によっても影響を受けることを示すことである。現在19名の医師(放射線診断医と脳神経外科医)のデータ(カニュレーションの成否と要する時間)を収集した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初使用する予定であった、当施設内に設置されている3Dプリンターで作成できる血管模型は硬いもののみであり、硬い血管模型に挿入したマイクロカテーテル は抜去時に折れ曲がることが判明したため、研究開始に先立ち、柔軟な素材で血管模型を作成する方法を確立することが必須となった。平成30年度に3Dプリンター (Foam2/キャノンライフケアソリューションズ)を使用して、柔軟性のある不透過性の素材で、内腔のある血管模型(中空モデル)の作成方法を確立した。平成31年度(令和元年度)はこれを発展させ、3D CADでデザインした大動脈弓の血管模型を作成し、カニュレーションの実験を開始した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成31年度(令和元年度)に開始した、3D CADでデザインした大動脈弓の血管模型でのカニュレーション実験を今後も継続する。また、我々は平成31年度(令和元年度)より血管の解剖学的特徴を客観的に計測するために、FUJIFILMと共同でIVRシミュレータ(SYNAPSE VINCENT)の改良に取り組んでいる。今後、改良されたIVRシミュレータを導入し、マイクロカテーテルの標的血管へのカニュレーションの成否と、カニュレーションに要する時間のデータベース作成に取り組む。
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Causes of Carryover |
研究が遅れたために当該年度に開始した「カニュレーションの難易度を考慮した血管模型を用いた実験」を、次年度に継続する。次年度も血管模型のマテリアルと 洗浄用のイソプロピルアルコールを購入する予定である。実験継続のために血管造影室の使用料が必要である。また、次年度に研究結果を学会発表し、論文作成する予定である。
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