2018 Fiscal Year Research-status Report
皮膚センチネルリンパ節の核医学的検出における新たな判定法の確立
Project/Area Number |
17K10429
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
三浦 弘行 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10271826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 高英 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (20333718)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 皮膚悪性腫瘍 / センチネルリンパ節 / 核医学 / 時間放射能曲線 / 加算画像 / 画像診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚悪性腫瘍に対するセンチネルリンパ節(SLN)の核医学的生検は平成30年度もこれまでと同様のペースで行われ、さらなるデータが蓄積されつつある。またセンチネルリンパ節の新たな判定法に時間放射能曲線の解析や加算画像の解析や画像作成を行っているが、データが膨大であること、既存の備品での画像処理の限界もあるため、遅れ気味の状況を充分挽回するには至っていない。 そのため既にある程度纏まった研究成果の一部を先行して発表することにした。まずは、皮膚悪性黒色腫例に対するSLNの核医学的検出施行97例の経過観察画像を解析した。その結果、SLN転移の有無、SLN転移陽性例での廓清時の転移の有無で、再発や転移の頻度に有意差があること、SLN転移陰性の場合、遠隔転移(血行性転移)に留意必要なこと、廓清で転移陽性例は全例リンパ節再発だが、次々に遠隔転移出現する例もあること、同時に様々な限界もあること、が判明した。そしてそれを「センチネルリンパ節の核医学的検出施行例における皮膚悪性黒色腫の経過観察目的の画像検査」と題して、第54回日本医学放射線学会秋季臨床大会(2018年10月5日~7日、福岡市)にて展示発表した。その発表は同大会で展示Gold Medal受賞という形で評価をいただくことが出来た。 また、研究協力者がリンパ流のパターンを解析し、corresponding authorとして英文誌にpublishされた(Fujita T, Miura H, et al: Anatomical classification of breast sentinel lymph nodes using computed tomography-lymphography. Anatomical Science International 2018; 93(4): 487-494)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記に述べたように、データが膨大であること、備品等の限界から、解析や画像作成の遅れを充分取り返すには至っていない。新規のソフトウェア購入等で挽回できるのか、既存の環境で達成可能なのか、検討中である。かわりに、次年度予定の検討も可能なものは一部繰り上げて行い、新たに着想を得た検討内容についても行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
海外におけるMSLT 2試験(悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節転移陽性例に対するリンパ節郭清の意義について)において、センチネルリンパ節転移陽性の悪性黒色腫を対象に、即時リンパ節完全郭清群と経過観察群において無作為化比較試験を行った結果、primary end pointである悪性黒色腫特異的生存期間に関して、リンパ節郭清によるその延長は示されなかったという結果が示された(M.B. Faries, et al. Completion Dissection or Observation for Sentinel-Node Metastasis in Melanoma. N ENGL J MED 2018; 376(23) : 2211-2222.)。日本人と欧米人の悪性黒色腫の違いや、我々はあくまで画像診断上での検討であるなどの違いもあると思われるが、当方が検討した画像診断上の検討ではSLN転移陽性例と陰性例で再発・転移検出に有意差があったことなどを考えると、興味深い結果と考えられる。本来の研究目的とは多少異なる点もあるが、非常に重要と考えられ、この方向での検討も行いたい。 また遅れている解析、画像作成、読影実験等を可能な限り速やかに進め、遅れを取り戻すことも当然重要と考える。
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Causes of Carryover |
遅れが生じている分、当初支出を予定していた謝金等が発生していない。また物品費、その他が予想ほどかからなかった。画像の作成や画像解析に係わる支出や、読影実験に係わる謝金は、次年度に使用される予定である。
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Research Products
(2 results)