2019 Fiscal Year Research-status Report
皮膚センチネルリンパ節の核医学的検出における新たな判定法の確立
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17K10429
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
三浦 弘行 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (10271826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 高英 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (20333718)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 皮膚悪性腫瘍 / センチネルリンパ節 / 核医学 / 時間放射能曲線 / 加算画像 / 画像診断 |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚悪性腫瘍に対するセンチネルリンパ節(SLN)の核医学的生検は平成31年度もこれまでと同様のペースで行われ、さらなるデータが蓄積された。また引き続いてセンチネルリンパ節の新たな判定法に時間放射能曲線の解析や加算画像の解析や画像作成を行っているが、データが膨大であること、既存の備品での画像処理の限界もあるため、遅れ気味の状況を充分挽回するには至っていない。また期間途中で研究分担者が遠隔の施設に異動になり、その役を担えなくなったため、遅延が生じている。 そのため前年度に引き続き、既にある研究成果の一部を解析し、纏め、報告することにした。即ち、リンパ流やリンパ節のパターン解析、原発部位とセンチネルリンパ節の部位、部位毎の動態像の必要性の有無、放射線科医の寄与、部位毎の時間放射能曲線の解析、SLN転移の有無、SLN転移陽性例での廓清時の転移の有無における経過観察の画像検査(CT、MRI、FDG PET/CT)での再発や転移の頻度に関する検討、などを纏めつつある。そうした検討の一部は、「皮膚悪性腫瘍例のセンチネルリンパ節の核医学的検出に関する検討 - これまで、そして、これから? -」と題して第62回北日本核医学談話会(2019年10月11日、仙台市)において招待により報告した。加えて、英文論文を執筆中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
上記に述べたように、データが膨大で解析に多大な労力を要すること、備品等の限界から、解析や画像作成の遅れがまだある。また海外におけるMSLT 2試験(悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節転移陽性例に対するリンパ節郭清の意義について)の結果から、SLN取り扱いの見直しが必要となり、かつ従来の診療とこれからの方針の整合性の検討なども必要となり、難儀している。加えて、期間中に研究分担者がその任から離れざるを得なくなったのも進捗に影響を及ぼしている。研究方針の変更も検討必要で、これを行いつつある。その替わりに結果観察の画像検査の解析など、新たな着想を得た検討も行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者の転勤等に伴い、解析、画像作成、読影実験等の遅れが生じているが、可能な限り速やかに進め、遅れを取り戻す。 また海外におけるMSLT 2試験(悪性黒色腫におけるセンチネルリンパ節転移陽性例に対するリンパ節郭清の意義について)において、センチネルリンパ節転移陽性の悪性黒色腫を対象に、即時リンパ節完全郭清群と経過観察群において無作為化比較試験を行った結果、primary end pointである悪性黒色腫特異的生存期間に関して、リンパ節郭清によるその延長は示されなかったという結果が示された(M.B. Faries, et al. Completion Dissection or Observation for Sentinel-Node Metastasis in Melanoma. N ENGL J MED 2018; 376(23) : 2211-2222.)。日本人と欧米人の悪性黒色腫の違いや、我々はあくまで画像診断上での検討であるなどの違いもあると思われるが、当方が検討した画像診断上の検討ではSLN転移陽性例と陰性例で再発・転移検出に有意差があったことなどを考えると、興味深い結果と考えられる。本来の研究目的とは多少異なる点もあるが、非常に重要と考えられる。特に欧米では主に超音波検査により再発診断を行っているのに対し、人口に対するCTやMRIのような診断機器が多い本邦では主にこれらで経過観察がされることが多く、超音波では診断し得ない臓器の病変も検出可能であることから、欧米とは異なった結果が得られるかも知れない。故に、この方向での検討も行いたい。 得られた結果は論文発表などで速やかに報告する予定である。
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Causes of Carryover |
研究分担者が異動となり、本来予定の研究が予定通りには進まなかった。 またCOVID-19の影響により、海外を含めた出席予定の学会が中止となった。 研究の予定通りとならなかった部分、遅延した部分は、新たな着想に基づいて研究方針変更を行いつつ、遂行中である。
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Research Products
(1 results)