2017 Fiscal Year Research-status Report
肺癌における抗PD-1抗体の治療効果予測マーカーとしてのFDG-PETの役割
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17K10433
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
解良 恭一 群馬大学, 医学部, その他 (40400783)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | FDG-PET / PD-L1 / がん免疫 |
Outline of Annual Research Achievements |
外科的切除された肺扁平上皮癌及び肺腺癌の腫瘍組織におけるPD-L1, CD4, CD8, Foxp3, CD3, Glucose transporter 1 (GLUT1), Hypoxic induced factor1α(HIF1α)の蛋白発現とFDG-PETの集積の臨床病理学的な関係について検討した。 肺扁平上皮癌170例での検討では、PD-L1発現とFDG集積は有意な相関を示して、肺腺癌300例においてもPD-L1発現とFDG集積の有意な相関関係を認めた。しかし、CD4, CD8, Foxp3など腫瘍内のリンパ球浸潤と腫瘍組織におけるFDGの集積は特に関連は認められなかった。また、PD-L1発現とGLUT1やHIF-1発現との関係も有意な関連をみとめ、PD-L1は腫瘍組織において糖代謝や低酸素の何らかの関係があることが示唆されることがわかった。 この臨床病理学的な検討で、PD-L1発現が高いと有意な予後不良因子になることが、肺腺癌及び肺扁平上皮癌でわかった。特にFDG高集積の集団では、PD-L1発現が予後を規定する因子であることが多変量解析にて明らかとなった。さらに、EGFR遺伝子変異の有無でPD-L1発現とFDG集積の関連が異なることも明らかとなった。 同時に肺癌細胞株にて、FDGの取り込み実験を行いPD-L1発現との関連を検討したが、PD-L1高発現の細胞株と低発現の細胞株の選定に苦慮したため、in vitroでの検討は先には進めず次年度の課題とした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞実験については細胞株の選定に時間がかかり、当初の予定に比べ研究は遅れてしまった。一方で腫瘍検体を用いた臨床病理学的な検討はおおむね順調に進んでいると考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
肺癌細胞株おいてPD-L1発現の程度でFDG集積や糖代謝及び低酸素の状態が変化することを検討していく。抗PD-1抗体により腫瘍細胞内の糖代謝や低酸素の状態が変化するかどうかをin vitroおよびin vivoで検証していく予定である。
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Causes of Carryover |
当初は細胞実験で使用する予定であったが、細胞株の選定に時間があり実験に取り明かることができず、予算を次年度に繰り越すことにした。免疫染色は既に購入済みの試薬類を使用したため、当初予定されていたより支出が少なくなった。
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Research Products
(1 results)
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[Journal Article] Correlation of tumor-related immunity with 18F-FDG-PET in pulmonary squamous-cell carcinoma.2018
Author(s)
Kasahara N, Kaira K, Bao P, Higuchi T, Arisaka Y, Erkhem-Ochir B, Sunaga N, Ohtaki Y, Yajima T, Kosaka T, Oyama T, Yokobori T, Asao T, Nishiyama M, Tsushima Y, Kuwano H, Shimizu K, Mogi A.
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Journal Title
Lung Cancer
Volume: 119
Pages: 71-77
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research