2017 Fiscal Year Research-status Report
心筋梗塞後の病態変化と左室リモデリング予測に関する継時的生体分子イメージング研究
Project/Area Number |
17K10435
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
瀧 淳一 金沢大学, 附属病院, 講師 (10251927)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 数馬 金沢大学, 新学術創成研究機構, 准教授 (30347471)
柴 和弘 金沢大学, 学際科学実験センター, 教授 (40143929)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ventricular remodeling / myocardial infarction / I-125-RGD / C-14-methionine / angiogenesis / macrophage / postconditioning / apoptosis |
Outline of Annual Research Achievements |
心筋梗塞後の組織修復過程での左室リモデリングは予後に重大な影響を及ぼす。リモデリングの規定因子と予想されるアポトーシス、血管新生、炎症性変化の画像化をめざして検討を行った。SPECT/CTにて虚血再灌流3,7日後のTc-99m-annexin Vの集積とその後の左室サイズ、収縮機能の関連を検討したが、明確な傾向を示さなかった。この原因としてin vivo画像でのトレーサー集積の感度と定量性が充分に高くない事が考えられた。RGDは血管新生時の内皮細胞の遊走を制御するαVβ3 integrinに特異的に結合するが、一方でαvβ3はマクロファージにも発現するとの報告がある。そこでラット虚血再還流モデルにて、RGDとマクロファージに集積するmethionineの経時的集積分布を比較検討した。虚血再還流1,3,7,14日と1,2か月後にI-125-RGDまたはC-14-methionineを静注し、それぞれ80分、20分後にarea at risk描出のため冠動脈を再結紮し、直後にTc-99m-MIBI(150-180MBq)を投与し、1分後に心筋を摘出し、2核種オートラジオグラフィにて画像化した。その結果、area at risk内のRGD、methionineの集積比はそれぞれDay1で0.71±0.13と0.71±0.13、Day3で1.22±0.22と2.03±0.33、Day7で2.27±0.36と1.91±0.26、Day14で2.04±0.17と1.47±0.15、1月で1.93±0.16と1.26±0.08、2月で1.57±0.15と1.15±0.07と異なる集積トレンドを示しRGDの集積は病理学的に血管新生に相関していた。以上より、I-125-RGDの集積は梗塞1週後から著明に増加し、1-2ヵ月にわたって血管新生を反映していると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Tc-99m-annexin V によるin-vivo SPECT/CTによる虚血再灌流後の集積とその後の左室リモデリングの明確な関連が証明出来ず、戦略の変更を余儀なくされた。この原因としてin vivo画像でのトレーサー集積の感度と定量性がオートラジオグラフィに比べで不十分であることとサンプル数が少ないことが考えられた。I-125標識arginine-glysine-aspartic acid (RGD)の集積と C-14-methionineの集積の継時的な比較に関する検討はおおむね順調に進んだ。免疫染色を用いた病理学的な検討も加えた結果、両者がそれぞれ血管新生とマクロファージ浸潤をほぼ反映していることが示された意義は大きく、今後標識核種をin-vivoイメージング用に変換して挑戦する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
Tc-99m-annexin V によるin-vivo SPECT/CTによる虚血再灌流後の集積とその後の左室リモデリングの明確な関連性が示されなかったが、原因として検体数(n=5程度)が少ないこと、in vivo画像でのトレーサー集積の感度と定量性がオートラジオグラフィに比べで不十分であることが考えられた。今後アポトーシスと左室リモデリングの関連に関するin-vivo SPECT/CTの検討は一旦中断し、方策を検討することとした。 梗塞後の病態変化に関しての軸足をアポトーシスから組織修復に関連する血管新生と炎症性変化の推移の方向へ移す事を考えている。まずは炎症性変化の抑制が左室リモデリングに影響するかを検討するために梗塞後に治療的介入として抗炎症剤を投与しC-14-methinonieの集積変化と左室リモデリングの関連を検討する方針である。また虚血再灌流再灌流後の冠動脈血流の開放、遮断を短時間で繰り返すpostconditioningの血管新生や、炎症性変化、さらには左室リモデリングに及ぼす影響も検討する予定である。 実験に用いているラットは8-10週齢のものであるが、これは成長中であり、体重が増加している時期である。従って正常ラットの成長にともなう心機能の変化を把握しておくことが今後の研究に寄与すると考えられる。そこで血流製剤であるTc-99m-MIBIを投与し、心電図同期SPECT/CTで8週齢から継時的に可能な限り測定し、心室容積や駆出分画(LVEF)を解析し対照群のデータとして保有することとした。 また梗塞心筋のSPECT/CTでの定量化に関してもex-vivoイメージ(オートラジオグラフィ)との比較を行い、基礎的な検討を始めたところであり、さらに精度の向上を目指して実験を重ねてゆく予定である。
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Causes of Carryover |
Tc-99m-annexin V によるin-vivo SPECT/CTでの結果が不透明であったので、Tc-99m-RGD, I-123-RGDの標識実験に遅れが出たため。I-123-RGD標識を優先してin-vivo SPECT/CTでの生体イメージングを試みてゆく。
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Research Products
(11 results)
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[Presentation] Myocardial perfusion imaging with ultra-high resolution SPECT/CT system in rats using multiple pinhole collimator: Comparison with high-resolution autoradiography2017
Author(s)
Shibutani T, Onoguchi M, Kanno T, Ogihra S, Wakabayashi H,,Inaki A, Hiromasa T, Taki J, Shiba K, Kinuya S.
Organizer
64 th Annual Meeting of the Society of Nuclear Medicine and Molecular Imaging
Int'l Joint Research
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