2017 Fiscal Year Research-status Report
CFDを用いた血管内塞栓物質の血管内動態シュミレーションと新規デザイン開発
Project/Area Number |
17K10440
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
馬場 康貴 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 准教授 (00315409)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
粟井 和夫 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 教授 (30294573)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | CFDモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
目的は申請者が開発してきたCFDモデルの手法を応用して、コンピュータ上で原発性肝細胞癌の血行動態のモデル(仮想肝細胞癌モデル)を作成する。その上で、現在、臨床において注目されている塞栓物質である球状高吸収性ポリマー(ビーズ)による血管塞栓術のコンピュータシミュレーションを行い、ビーズがどのように肝細胞癌に分布し、さらに抗がん剤がどのようにビーズから徐放されるかについて検討する。さらに、個々の患者において、本手法によって血管塞栓術の治療効果や治療後の予後が予測できないか検討を行う。H29年度は過去に当院にて行われた原発性肝細胞癌あるいは多血性肝腫瘍の患者に対するビーズを用いた肝動脈塞栓術の症例においてCT,MRI,血管造影の検査データをもとにデータベース化を行い、併せて、患者情報としてChild-Pugh score: CPS, Barcelona Clinical Liver Score: BCLS),腎機能、凝固系、腫瘍マーカー等)をデータベースに盛り込んでいるところである。本データを解析するにあたってはCD adapco 社のSTAR CCM+ソフトを用いて画像解析を行う必要があるが、ビーズと血液という混相での解析であり、単相より難しい手法の解析が求められることより現在単相にて試験的にシュミレーションを行い、本年度から混相のシュミレーションを行う予定である。よって、現時点ではデータベース作成と単相でのシュミレーション解析が可能な状況となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度はビーズによる塞栓術が行われた症例における治療内容及び患者情報の情報収集(データベース)と混相によるCFD解析の試験シュミレーションが主な内容であったのであったが、混相解析がやや困難であったので現在は単相でのシュミレーションが途についたばかりであるので。
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Strategy for Future Research Activity |
二年目であるH30年度はCFD混相解析が順調に行えるレベルまで上げることが目標であるが、現在までの進行状況から実現可能であると考える。作成された仮想肝細胞癌モデルを基に、仮想血管内における正常肝動脈あるいは腫瘍血管の中でのビーズの挙動をシミュレーションする。ビーズの大きさ、形態、抗がん剤の含浸などの違いによることで仮想血管モデルでの凝集・再分布の違いが生じることが予想され、本研究の結果にて適切なビーズ選択、適切な注入部位、適切な注入スピードに関する知見が得られると予想している。また、市販されている3 種類のビーズ(Hepasphere, Embosphere, DC ビーズ)のすべてについてシミュレーションを行い、それらの仮想肝細胞癌モデル内での挙動の差について検証する。さらに、ビーズの形状、膨張させることの可否等の基本的形状・挙動を再検討し、それを元に理想的なビーズの形状を探索する。
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Causes of Carryover |
CFDソフトレンタル料とその使用に関わる適正使用講習会料が当初の時点(H29年9月)で費用が予想以上に生じたことを認識したために、その後に当初計画より経費の使用を節約できたことにより生じた未使用額です。未使用額をH30年度予算と併せて、CFDレンタル料を中心に使用しCFD解析(特に混相での)を行う予定でいます。
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