2018 Fiscal Year Research-status Report
IVR併用・培養骨髄由来間葉系幹細胞投与による低侵襲・高効率肝臓再生療法の開発
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17K10441
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石川 剛 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20569305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 拓也 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80634716)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | インターベンショナルラジオロジー / 門脈圧亢進症 / 肝硬変症 / 肝再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】我々独自の骨髄間葉系幹細胞(BMSC)培養系を用いて「イヌ肝硬変モデルに対する培養BMSC投与」システムを確立し、部分的脾動脈塞栓術(PSE)先行の意義・投与経路による差異について解析・検討することを目的とした。【対象と方法】四塩化炭素の経胃的反復投与(2回/週x10週)により作成されたイヌ肝硬変モデルをPSE先行の有無によって2群化し、さらにBMSC投与経路別に3群化して、計6群(A:PSE非施行・BMSC非投与群、B:PSE施行・BMSC非投与群、C:PSE非施行・BMSC末梢静脈投与群、D:PSE施行・BMSC末梢静脈投与群、E:PSE非施行・BMSC肝動脈投与群、F:PSE施行・BMSC肝動脈投与群)に群別した。BMSC投与4・8・12週後に血液生化学検査・各種画像検査・肝組織学的検査を施行し6群間で比較・検討した。【結果】PSE先行の有無に関する検討(C群 vs. D群、E群 vs. F群)では、いずれもPSE先行群(D群、F群)でBMSC投与の効果が良好な傾向が確認された。またBMSC投与経路に関する検討(C群 vs. E群、D群 vs. F群)では、いずれも肝動脈投与群(E群、F群)の方がBMSC投与の効果が良好な傾向が認められた。【考察・結論】PSE先行かつBMSC肝動脈投与が、全6群のなかで最も効果的であること示された。BMSCの投与経路として末梢静脈よりも肝動脈の方が効率的であることは想定通りであったが、BMSC投与前にPSEを施行することで脾機能亢進の制御を図ることが本実験系では極めて重要であることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度、イヌ肝硬変モデルに対するPSE手技に難渋しその実験系の確立に予定よりも時間を要したため、PSE先行の意義・BMSC投与経路による差異に関する本研究に着手するのが遅れた。研究計画書では各群n=4での検討予定であったがn=2~3例ずつの検討にとどまったため、統計学的有意差を示すには至らず、次年度の研究課題として残された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度に施行予定であった研究を可及的速やかに完結させ、それに引き続き平成31年度(令和元年度)施行予定の下記の研究を迅速に推進する。 イヌ肝硬変モデルによる基礎研究結果を基盤として、ヒト非代償性肝硬変患者に対するPSE先行培養自己骨髄細胞を用いた低侵襲肝臓再生療法(cABMi療法)及び肝動注cABMi療法の安全性・有効性を証明する。 臨床研究(1):PSE先行の安全性・有効性 PSE(-) vs. PSE(+) (n=10) 臨床研究(2):肝動脈投与の安全性・有効性 末梢静脈投与 vs. 肝動脈投与 (n=10)
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Causes of Carryover |
平成30年度に予定された「イヌ肝硬変モデルに対する培養BMSC投与」システムを用いた比較研究(PSE先行の有無・BMSC投与経路別)のうち、当該年度内に肝組織学的検査・免疫染色を施行するに至らなかったため、使用予定の試薬を購入しなかった。平成31年度(令和元年度)にはそれを購入し、予定通りの解析・検討を進める。
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