2019 Fiscal Year Research-status Report
IVR併用・培養骨髄由来間葉系幹細胞投与による低侵襲・高効率肝臓再生療法の開発
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17K10441
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
石川 剛 山口大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20569305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩本 拓也 山口大学, 大学院医学系研究科, 助教 (80634716)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インターベンショナルラジオロジー / 門脈圧亢進症 / 肝硬変症 / 肝再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】ヒト非代償性肝硬変患者に対する部分的脾動脈塞栓術(partial splenic embolization: PSE)先行培養自己骨髄細胞を用いた低侵襲肝臓再生療法(cultured Autologous Bone Marrow Cell infusion therapy:cABMi療法)及び肝動注cABMi療法の安全性・有効性を証明する。 【対象と方法】cABMi療法の適格基準(選択基準・除外基準)に準じる。臨床研究①:PSE先行の安全性・有効性[PSE(-) vs. PSE(+)]、臨床研究②:肝動脈投与の安全性・有効性[末梢静脈投与 vs. 肝動脈投与]について、cABMi療法の評価項目に準じて以下の項目を評価する。(1)主要評価項目(投与後24週時点)有害事象の発生、(2)副次評価項目(投与後24週時点)a: Child-Pughスコア、b: アルブミン値、c: 血清線維化マーカー、d: 下腿浮腫の改善及び消失、e: 自覚症状スコア(SF36を使用) 【成績】①-(1):PSE先行(n=2)・PSE非先行(n=3)いずれにおいても、追加治療および入院延長を要する有害事象は認められなかった。①-(2):PSE非先行症例に比して、先行症例でChild-Pughスコアの改善傾向が強かった。②-(1):末梢静脈投与と肝動脈投与で、有害事象発生率に差異は認められなかった。②-(2):末梢静脈投与症例に比べて、肝動脈投与症例の方がChild-Pughスコア・アルブミン値の改善が顕著であった。 【考察・結論】PSE先行および肝動脈投与がcABMi療法の安全性と有効性を高める可能性が示唆されたが、未だ目標症例数に到達していないため今後の更なる検討が必要と思われる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
cABMi療法を見据えて検査入院した症例は30例近くあったものの、精査の結果適応基準に見合わない適応外症例が予想以上に多く、一方代替治療で病状が改善した症例や肝移植に移行した症例も複数例あったため、目標症例数の20症例に到達しなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
当科のホームページへの掲載あるいは当院の外来診療棟での掲示、さらには県内外の関連病院へのダイレクトメールでの周知によって、cABMi療法に関する情報提供を強化する。 その後の診療体制は整備されているので、症例数を増やすことこそが最大の推進方策と考えている。 目標症例数に達した後は可及的速やかにデータ解析し、論文化を図る予定である。
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Causes of Carryover |
cABMi療法の症例数が想定より少なかったため、そのデータ解析・論文化が予定より遅れた。また、2020年3月にBaveno VII Consensus Workshop(イタリア)に出席すべく学会参加費などを予算請求していたが、COVID-19感染拡大のため2020年11月に延期になった。 従って、論文化に伴う英語論文校閲料・論文投稿料および上記学会参加費用として請求予定である。
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