2021 Fiscal Year Research-status Report
Development of molecular imaging of sarcoidosis: From evaluation of the animal model to clinical use
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17K10454
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
諸井 雅男 東邦大学, 医学部, 教授 (30256721)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 哲也 公益財団法人朝日生命成人病研究所, その他部局等, 教授(移行) (60385698)
吉田 恭子 (今中恭子) 三重大学, 医学系研究科, 教授 (00242967)
廣江 道昭 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 医師 (80101872)
瀧 淳一 金沢大学, 医学系, 准教授 (10251927)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心臓炎症イメージング / 心臓マクロファージ / ソマトスタチン受容体イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓の炎症イメージングにはF-18-fluorodeoxyglucose (FDG)が用いられているが、健常人での我々のデータでは18時間の絶食かつ最終食事を低炭水化物とする前処置を行っても11.4%の患者でF-18-FDGは炎症細胞以外の心筋細胞(正常時および虚血時)にも集積していた。このFDG PET検査の欠点を克服するために我々は、心筋細胞には存在せず、マクロファージやTリンパ球に存在するとされるソマトスタチン受容体サブタイプ2(SSR2)に親和性を有する標識化合物In-111-pentetreotideを用いた炎症細胞に特異的なイメージングの可能性を検討した。 ラット心筋梗塞モデルにIn-111-pentetreotideを静注し、オートラジオグラフィを施行した。梗塞周辺領域へのIn-111-pentetreotideの集積が確認された。この集積がSSR2を介しているかどうかを検討するためにSSR2の抗体阻害薬を十分量前投与し、In-111-pentetreotideによるオートラジオグラフィを施行したにも関わらず、梗塞周辺領域への集積を抑制できなかった。さらに、この心筋梗塞モデルでSSR2に対する免疫染色を施行したところ、マクロファージの存在はCD68陽性細胞として確認されたが、SSR2の免疫染色の陽性所見は得られなかった。 一方で、ヒトのウイルス性心筋炎の心筋生検標本で、CD68陽性細胞(マクロファージ)の集積を認めたが、SSR2の免疫染色は陰性であった。ヒトにおいては4名の心臓サルコイドーシス患者にIn-111-pentetreotideを投与したところ、心臓MRIによる遅延造影初見を認めた部位にその集積を確認した。 以上から、In-111-pentetreotideは心臓の炎症部位に集積するがその機序は非特異的と考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2つの理由がある。 1.COVID-19流行の緊急事態宣言下ではマウスの実験が継続できなくなったため。現在は緊急事態宣言が解除されており、マウスの実験を再開しており、次年度で終了予定である。 2.In-111-pentetreotideが心筋の炎症部位、特にマクロファージ集積部位に集積したことは確認されたが、ソマトスタチン受容体サブタイプ2(SSR2)の抗体による免疫染色にて染色できなかったこと、およびSSR2の阻害薬の前投与にてもオートラジオグラフィにて集積を認めたことから、SSR2を介する以外の機序による集積である可能性が高い。In-111-pentetreotideの集積機序は現段階では非特異的な炎症部位への集積と結論している。
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Strategy for Future Research Activity |
In-111-pentetreotideが心筋梗塞後や心臓サルコイドーシスの心筋の炎症部位に集積することは、確認されたが、その集積機序は当初想定されたソマトスタチン受容体サブタイプ2(SSR2)ではない可能性が高くなった。 今回の研究はマクロファージが認められる心臓の炎症部位にIn-111-pentetreotideが集積することが動物およびヒトサルコイドーシス患者で確認されたことと、その機序としてはSSR2を介するというよりも非特異的集積の可能性が高いことを中心に論文を作成中である。 In-111-pentetreotideは日本ではすでに神経内分泌腫瘍に対して保険収載されているSPECT用放射線医薬品であり、F-18-FDG PET検査とは異なる心臓サルコイドーシスに対する新たな保険適応をめざし行われた研究であった。しかし、In-111-pentetreotideによるシンチグラフィにて心筋の炎症部位をとらえることは可能であると考えられるが、集積機序が不明(非特異的)となると、クエン酸ガリウム(Ga-67)シンチグラフィを超える放射線医薬品となる可能性は低い。現在、クエン酸ガリウム(Ga-67)シンチグラフィが炎症部位に集積するため臨牀で用いられているが、心臓の炎症画像としては感度がF-18-FDG PETより低い。また、Ga-67の心筋への炎症部位集積機序もはっきりとは解明されていない。炎症組織での血流の増加や、毛細血管の透過性亢進によるGa-67の運搬、白血球への取り込み、細菌への取り込み、組織間質への結合などいくつかの機序が同時に関与すると考えられているが、In-111-pentetreotideの心筋の炎症部位への集積も同様の可能性がある。In-111-pentetreotideによる心臓サルコイドーシスの画像診断はその集積機序において特異的な機序は否定的でガリウムシンチグラフィに勝る可能性は低いと結論された。
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Causes of Carryover |
理由として、COVID-19流行の緊急事態宣言のためマウスの追加実験が継続できなくなったことがある。現在は緊急事態宣言が解除されており、マウスの実験を再開しており、終了のめどがついた。データ解析後に次年度で論文化を終える予定である。
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