2019 Fiscal Year Annual Research Report
Can iPS cells derived from exposed mice be applied to the treatment of radiation damage?
Project/Area Number |
17K10463
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Research Institution | Okayama University of Science |
Principal Investigator |
小原 千寿香 (逸見千寿香) 岡山理科大学, 獣医学部, 講師 (90415977)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 放射線 |
Outline of Annual Research Achievements |
各線量(X線0, 0.1, 0.5, 1, 2 Gy)の被ばく個体由来マウスの尾組織から線維芽細胞を採取し、iPS細胞の作製を行った。被ばく個体由来線維芽細胞は、被ばくによる増殖への影響を考慮する必要があるため、Oct3/4, Sox2, Klf4, c-Mycの4因子に加えてdsRed2を導入し、レトロウイルスベクターの感染効率を確認しながら、iPS細胞を作製した。コロニー形成数を感染効率で補正すると、0.1 、0.5 Gyなどの低線量照射群に比べ、2Gy照射群では、形成されるコロニー数は減少した。さらに形成されたコロニーを拾い、iPS細胞クローンの樹立を行う過程で、1Gy、2 GyのiPS細胞クローンでは、培養途中で死滅するなどの現象が生じた。 樹立した被ばく個体由来iPS細胞クローンについて、ゲノム不安定性について検討するため、ゲノムの構造異常を解析するための方法として、染色体1,2,3番について、多色FISHを用いてMEF(マウス胎児線維芽細胞)による条件検討を行った後、0 Gy, 2 Gy照射個体由来iPS細胞について、染色体の本数および構造異常に関する解析を行った。染色体本数が正常、異数性を示すiPS細胞の割合について検討した所、0 Gyと2 Gy照射個体由来iPS細胞について大きな差は認められなかった。また、多色FISHを用いた検討では、0 Gy, 2 Gy照射個体由来iPS細胞を合計で12クローンについて解析を行った。それぞれ、染色体の構造異常を有するiPS細胞クローンを1クローンずつ検出した。しかしながら、対象とする染色体が1-3番のみであることから、染色体異常の検出率が低いと考えられた。放射線照射個体由来iPS細胞のゲノム不安定性について明らかにするためには、今後更に詳細なゲノム解析を進める必要があると考えられた。
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Research Products
(2 results)
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[Journal Article] Genetic aberrations in iPSCs are introduced by a transient G1/S cell cycle checkpoint deficiency2020
Author(s)
Araki R, Hoki Y, Suga T, Obara C, Sunayama M, Imadome K, Fujita M, Kamimura S, Nakamura M, Wakayama S, Nagy A, Wakayama T, and Abe M.
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Journal Title
Nature communications
Volume: 11
Pages: 1-17
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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