2020 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of predictivity or Stochastic Linear Quadratic model (LQ model) to calculate tumor control probability of radiotherapy
Project/Area Number |
17K10464
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
鬼丸 力也 北海道大学, 医学研究院, 客員研究員 (80374461)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 不均一線量分布 / 局所制御率 / シミュレーション / 乱数 |
Outline of Annual Research Achievements |
定位放射線治療では不均一線量分布で治療され、局所制御率(Tumor control probability, TCP)を計算する際に複雑な計算が必要であった。本研究では、不均一線量分布を微小な均一線量分布集団の集合と捉えることで、乱数を用いたコンピューターシミュレーションで放射線照射後の生存細胞数を数え上げるというrandom variable (RV) approachを開発し、今までの解析的な方法を均一線量分布集団に用いその結果を統合するAnalytical approachとの比較や臨床応用の可能性を検討した。 RV approachでは、不均一線量分布により照射後生存確率(=p)が腫瘍内で不均一に分布するものとした。照射後の細胞の生死は成功確率pによるベルヌーイ試行としN個の細胞に照射後の生存細胞数は母数(N, p)の二項分布に従うとしてシミュレーションを行った。腫瘍を複数の領域に分割し、各領域の照射後生存確率と腫瘍細胞数から治療後の生存細胞数を求め、それぞれを合計して局所制御率を算出した。Analytical approachでは均一線量分布集団のTCPをTCP=exp(-N pn)で計算し、不均一線量分布のTCPを求める際にはそれらの積をとったものとした。 3個の転移性脳腫瘍の線量分布を用いてTCPを検討したところ、Analytical approachではTCPが0.99637、0.96188および0.17706であり、RV approachでは0.99637、0.96188および0.17706と、ほぼ同一のTCPとなった。 RV approachでは放射線治療中の細胞生存確率の変化や化学療法による影響も考慮することができるため、様々な状況に応じた治療効果のシミュレーションが可能となると思われた。
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