2017 Fiscal Year Research-status Report
放射線治療の予後判定の可能性(放射線抵抗性の獲得と癌の浸潤・転移との関連性)
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17K10485
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
犬童 寛子 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (00301391)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
末永 重明 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (00136889)
長澤 大成 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 助教 (50773925)
馬嶋 秀行 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (60165701)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射線抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
ラット扁平上皮癌細胞SCC-158を、スフェロイド作製用超低着表面96wellプレート(Corning, 7007)に1000、5000または10000 cells/wellで播種し、それぞれ直径150、300、450 μmのスフェロイドを作製した。作製したスフェロイドに対してX線照射装置(MBR-1505R, 日立メディコ)を用いて、1Gy/minの線量率で500mGyのX線を照射した(120kV、3.8mA、37℃に設定したホットプレート上にて)。照射回数は500mGy/日で10、20および30日間(5Gy、10Gy、15Gy)毎日行った。既定の日数の照射をし終わった段階でスフェロイドを各々回収し、細胞分散液Accumax(エムエステクノシステムズ)を用いて細胞を分散させた。通常の培養条件下で分散させた細胞を一定期間培養し、生き残った細胞を回収した。 長期間放射線に暴露されて生き残った細胞は癌の浸潤能や転移能があがるのかどうかを検討するために、上記の回収した細胞とX線未照射群の細胞について、p53およびS100A4のmRNA発現、タンパクレベルではp53およびS100A4の発現とp53のリン酸化について、現在実験を一回行なっており、今後引き続き実験を行う予定である。また、平成29年度に予定していたInvasion Assayに関しては、まだ実施されておらず、マトリゲルを用いたアッセイキットを使用し、平成30年度行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初予定していた線量では実験がうまくいかず、スフェロイドの大きさ、線量を検討し、条件を再設定するための予備実験に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
悪性度の高い癌や転移性の細胞に放射線(X線)照射をした場合、果たして放射線抵抗性は高くなるか否かを明らかにするために次の研究を行う。 (1) S100A4の過剰発現および発現抑制コンストラクトの作成を下記の方法で行う。 ①PCRにてS100A4全長を増幅する。②pCR3.1にPCRで増幅したS100A4遺伝子を組み込む。③S100A4のRNAi用オリゴヌクレオチドを合成する。④pSilencer3.0またはpSilencer3.0 Neoに合成したオリゴヌクレオチドを組み込む。⑤SCC158細胞株にLipofectamine2000を用いて上記プラスミドを導入し、遺伝子導入した細胞について、遺伝子導入後RNAを抽出し、定量PCRにてS100A4が過剰発現もしくは発現抑制されることを確認する。(担当:伊藤・犬童)次に (1)で確立された過剰発現細胞と発現抑制細胞を用いて、スフェロイドを作成する。(担当:伊藤・犬童)作成したスフェロイドを用いて、 37℃下で1、3、5、10、15GyのX線を照射し、Surviving Curve(担当:末永・馬嶋)Clonogenic assayとアポトーシスを調べる。(担当:犬童・末永)
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Causes of Carryover |
実験の進行が少し遅れたため、試薬の購入が減ったことによるものと思われる。次年度には消耗品一式にて使用する予定である。
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