2020 Fiscal Year Research-status Report
CT detection of primary and metastatic tumor and their treatment abscopal effect via radiation
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17K10489
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
原田 聡 岩手医科大学, 医学部, 講師 (20244931)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | Radiation / Drug delivery system / Abscopal effect / Hyaluronic acid / Immunotherapy |
Outline of Annual Research Achievements |
2019年度まで、ヒアルロン酸-アルギン酸のCa-Fe重合を用いて、放射線に反応して内容を放出するパーティクルを作成した(以下、放射線感受性パーティクルと表記。本パーティクルサイズを500 nmのオーダーまで微細化すると、肺、脳、腎、観、脾臓などの毛細血管には捕捉されず、粗雑な腫瘍血管内皮の隙間から湧出する事が確認された。さらに、P-selectin抗体でパーティクル表面をコーティングすると、放射線照射部位に励起されたP-selectin抗原との抗原抗体反応により、照射部位にパーティクルが集積する事が明らかとなった。 2020年度には、poly lactic-co-glycolic acid (PLGA) から、Antigen Capturing Nano-Particles(AC-NPs)を作成し、放射線感受性パーティクルに封入後、マウス左下腿移植腫瘍表面に注入し放射線を照射した。結果、放射線感受性パーティクルがPLGA-AC NPsを放出、放出されたPLGA AC-NPsが、腫瘍抗原タンパクを吸着し、Dendritic Cell (DC)に腫瘍抗原タンパクを受け渡すことにより、DC-mediated T-cell Pimingが増強された。この免疫反応により、原発巣への照射効果が、転移巣に波及し、放射線によるAbscopal effectがが確認された。 本研究により、1)放射線がDrug Delivery Systemに使用可能な事、2)局所療法とされて来た放射線治療の概念が、転移巣治療という、全身療法に拡大される、という2点の新たな知見が見られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019:放射線照射のAbscopal effectを高めるための、poly lactic-co-glycolic acid (PLGA) -Antigen Capturing Nanoparticles (AC-NPs)の作成し、微細化したヒアルロン酸-アルギン酸パーティクル (HA-AL-NPs) 内に封入する事に成功した。腫瘍血管内皮細胞に発言されているVEGFR-1/2抗原に対するVEGFR-1/2抗体で、本パーティクルを標識後、尾静脈より体内に注入すると、VEGFR-1/2の抗原抗体反応により、パーテイクルが腫瘍血管内皮に集積した。本集積はCTで検出可能であったため、同パーティクルをした、新たな画像診断が検討された。 2020年度: PLGA AC-NPsをanti-PD-L1抗体とともに、HA-AL-NPs中に封入後、VEGFR-1/2抗体で標識した。本パーティクルを、MM48(実験乳癌)を左下腿に移植した C3He/Nマウス尾静脈より注入すると、腫瘍血管のVEGFR-1/2の抗原抗体反応により、HA-AL-NPsが集積し、この集積はCTで検出可能であった。集積したHA-AL-NPsに放射線を照射すると、HA-AL-NPsからPLGA AC-NPsとanti-PD-L1抗体が放出され、 PLGA-AC-NPによる、DC-associated cross priming増強を介したCD8+T-cellの活性化と、anti-PD-L1抗体によるCD8+T-cell作用増強が観察され、原発巣と転移巣の抗腫瘍効果増強が観察された。 上記経過より、研究計画はおおむね良好と判断される。予定通り進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
現在まででた基礎データーに関し、安全性、抗腫瘍効果増強と副作用軽減からなる有効性の見地から、詳細に検討し、以下の2つの臨床応用の可否を研究する。 1.)皮膚がん、乳がんを対象とした、Particleの腫瘍周囲への皮下注射後との放射線併用療法。 2.)深部臓器(脳、肺、観、腎等)を対象とした、Particle 静脈注射と放射線併用療法。
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Causes of Carryover |
COVID-19蔓延により、学会がVirtual 開催となり、それにより交通費、宿泊費が不要となったため、計画より、消費金額が少なく済んだため。 次年度は、データー集積、解析を施行するための解析ソフトの購入、補足データー取得に必要な経費、研究発表用の装置購入のために使用する計画である。
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