2017 Fiscal Year Research-status Report
簡便かつ高品質な全身照射技法の開発に関する放射線物理学的研究
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17K10499
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
中村 直樹 国立研究開発法人国立がん研究センター, 東病院, 医長 (40359625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橘 英伸 国立研究開発法人国立がん研究センター, 先端医療開発センター, 医学物理専門職 (20450215)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 全身照射 / 回転式強度変調放射線治療 / 骨髄移植 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究計画書の記載通り、初年度はパッチVMAT(Volumetric Modulated Radiation Therapy)法による全身照射の有効性を立証するため、汎用の放射線治療装置および治療計画装置を用いて患者体内に均一な線量を照射するための治療計画を立案した。また、人体模擬ファントムを作製した。 汎用の治療計画装置上で最適な3次元治療計画を立案した。治療計画装置上でCT画像に標的、リスク臓器(肺)を描きこみ、目標とする線量(処方線量、肺の平均線量、許容する全身の最大線量など)を決定した。治療計画装置は、本方法の普及性を考え、日本国内で最も多く普及している汎用治療計画装置であるEclips (バリアンメディカルシステムズ社、米国)を用いた。また、治療装置は汎用機であるTrueBeam(バリアンメディカルシステムズ社、米国)を用いた。CT画像は治療計画装置会社から無償で提供されるダミー患者の全身CT画像を用いた。これを受けてビーム配置、照射野形状、線量強度を調整し線量分布を作成した。分担研究者と協議し、全身の線量の均一性は許容可能であり、かつ肺などのリスク臓器の線量も良好に低減できていることを確認し、臨床導入可能な治療計画であると判断した。 また、立案した治療計画が患者体内に正確に照射されるかを検証するために、人体模擬ファントムに対し模擬的な照射を行って線量を測定する作業は不可欠である。今年度は人体模擬ファントムの材料を購入し、人体ファントムを作製した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
おおむね研究計画書とおりに進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、作製した人体ファントムを用いて模擬照射を行い、照射精度を検証する。また、研究成果を学会発表や論文にて発表する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度は人体ファントムの材料を購入することを優先し、残額が足りないため当初予定していたPCと統計解析ソフトウェアは購入しなかった。PCと統計解析ソフトウェアは来年度に購入予定である。
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