2017 Fiscal Year Research-status Report
胃癌に対する新規蛍光腹腔鏡システムを用いた光線力学的術中リンパ節転移診断法の確立
Project/Area Number |
17K10502
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
海老原 裕磨 北海道大学, 大学病院, 助教 (50632981)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 聡 北海道大学, 医学研究院, 教授 (50322813)
七戸 俊明 北海道大学, 医学研究院, 准教授 (70374353)
野路 武寛 北海道大学, 大学病院, 助教 (10739296)
田中 公貴 北海道大学, 大学病院, 特任助教 (10758642)
李 黎明 千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (70316298)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 腹腔鏡 / 胃癌 / 蛍光 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、われわれが新規に開発した腹腔鏡システムを用いた光線力学的微小リンパ節転移診断法を確立することである。本システムの特徴は、蛍光イメージングと同時に蛍光スペクトルをリアルタイムに腹腔鏡下での検出が出来る世界初の技術である。 現在、北海道大学大学院医学研究科附属動物実験施設にてマウス直腸癌リンパ節モデルを用いてTalaporfin-sodumのリンパ節転移診断能の検討においては高い診断能が示された。また、本システムを用いることによる微弱蛍光の検知ならびに組織深部での蛍光発現の検知は実証済である。 北海道大学の倫理委員会の承認を得て、「消化器悪性腫瘍に対するスペクトル測定を併用した光線力学診断の臨床試験」としてUMIN登録も行い、2017年10月より5ALAの臨床応用を開始した。臨床試験概要は、5-ALAは20mg/kgを、手術時の麻酔導入前3時間に、水に溶解して経口投与し、観察を行う。対象は、胃癌リンパ節転移症例であり、5A切除後の胃ならびにリンパ節検体に対し体外にて蛍光強度測定診断を行う。肉眼的発光診断およびスペクトル診断によって同定された腫瘍と、後日得られる組織病理学的検査結果を比較し、5-ALAでの肉眼で観察できる腫瘍診断能、スペクトグラフィーでの腫瘍診断能を評価する。現在までに3症例に施行し、データーを集積している。今後は、症例を重ね、リンパ節転移同定率を確認し、本臨床試験にて得られた蛍光強度Cut off値にて転移リンパ節同定率を計算する。さらには同試験をTalaporfin-sodumを用いて行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
北海道大学病院倫理委員会の承認も得られ、現在までに臨床研究として3症例に施行し、データーを集積できている。新規腹腔鏡システムの作動に関しても蛍光検知については問題なくできている。
|
Strategy for Future Research Activity |
北海道大学病院消化器外科IIで切除手術を施行される胃癌10症例(該当する手術症例は年間20例程度と予想し、このうち5割に施行可能であったとして年齢、性別、術前診断にて切除可能胃癌と診断された症例)。北海道大学病院倫理委員会の規定を遵守し、事前の患者に対するインフォームドコンセントを十分に行う。本年度中に10症例を行い蛍光強度Cut off値を設定する。 さらに来年度からの「胃癌に対する新規蛍光腹腔鏡システムを用いた光線力学的術中リンパ節診断に関する多施設共同探索的臨床試験」の準備を行う予定である。
|
Causes of Carryover |
分担研究者 李黎明の使用残額が5,549円あるため。
|