2018 Fiscal Year Research-status Report
乳癌における腫瘍浸潤リンパ球と腫瘍内不均一性を評価する画像診断システムの開発
Project/Area Number |
17K10550
|
Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
舛本 法生 広島大学, 病院(医), 助教 (40528014)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡田 守人 広島大学, 原爆放射線医科学研究所, 教授 (70446045)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 乳房PET / 不均一 / 造影超音波 / 腫瘍浸潤リンパ球 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍浸潤リンパ球(Tumor-infiltrating lymphocytes:TILs)は、乳癌をはじめとしたがん免疫治療の重要な治療効果および予後予測因子である。同時に腫瘍内不均一性が生じているため、既存の組織学的評価法には限界があり、正確で簡便な診断法の確立が課題である。 乳房専用PET(Dedicated breast PET:DbPET)は高解像度画像を得ることが可能である。DbPETと病理像を比較検証した結果、腫瘍の増殖が強い部位と壊死等で腫瘍の少ない部位ではSUVの集積が異なっており、同一腫瘍内で不均一な集積を示す乳がんを確認した。そしてDbPETで不均一なSUV集積を示す乳癌は高い悪性度・増殖能を示すことを証明した(Breast Cancer Res Treat. 2018)。 我々はultrasonography(US)でlymphocyte-predominant breast cancer (LPBC:50% stromal TILs以上)に特徴的なultrasonic tissue characterizationがあることに着目した。LPBCはShape(より分葉が多い), Internal echo level (より低い),そしてPosterior echoes (より強い)の3つのultrasonic tissue characterizationが特徴的であることを同定した。3つの因子よりTILs-US scoreを設定した。分析の結果、TILs-US scoreにおけるLPBC予測は優れた診断能を示すことを確証した。(Breast Cancer. 2019) DbPETで腫瘍内不均一性を探索でき、USによる TILs-US scoreを利用することで、正確で簡便なLPBCの術前診断が可能である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
我々は、これまでの研究により一定の成果を得ている。具体的には下記の成果を得ることが出来た。 1. DbPETは高解像度の画像を得ることが可能であり,これまでは困難であった小さな乳がんを同定出来ることを証明した(Clin Imaging. 2018)。 2. DbPETの高解像度画像により術前化学療法の治療効果予測に応用できることを証明した(Eur J Surg Oncol. 2018)。 3. DbPETには不均一な集積があり、この集積像は,乳癌の悪性度や増殖能を予測出来ること証明した(Breast Cancer Res Treat. 2018)。 4. USによる簡便な TILs-US scoreを利用することにより、正確で簡便なLPBCの術前診断が可能であることを証明した(Breast Cancer. 2019)。 今後は、微細な血流評価が可能である造影超音波検査(CEUS)を応用し、フローイメージングUS画像と、TILsの病理像の対比および臨床病理学的因子との相関を探索する。これにより乳がんにおけるTILs陽性率を正確に診断出来うるかを検証している。 DbPETにおける不均一性予測の精度を数値化しさらなる正確な不均一性の予測に応用する。本研究はおおむね予定通りであり、今後の研究継続により、DbPET とCEUS を統合した画像診断システムを構築し、統合解析によりTILsの正確な画像システムを確立することを検討する。
|
Strategy for Future Research Activity |
我々は、DbPETが腫瘍内不均一集積を示すことに着目し、その不均一画像が乳癌の悪性度・増殖能を予測出来ることを明らかにした。そしてDbPETによる不均一な集積は病理学的に集積の強い部位は乳がんの悪性度が高く、一方で集積の弱い部位は線維化・壊死を伴った腫瘍に多く認められることを証明した(Breast Cancer Res Treat. 2018)。しかし、不均一が生じるメカニズムは解明できていない。DbPETの画像と病理像を対比分析し、不均一像を引き起こすメカニズムを解明することが必要と考えている。 簡便なUSによりTILs-US scoreを設定し、正確で簡便なLPBCの術前診断が可能であることを証明した(Breast Cancer. 2019)。CEUSを組み合わせたフローイメージング画像により、TILs陽性率を正確に診断出来うるかを検討している。さらに再構成イメージングと4D高解像画像構築が可能な腫瘍内の微細な構造を評価できる新規超音波装置が昨年末に整備された。4D高解像画像を用いたCEUSによりより正確なTILs診断への応用を検討している。 最終的にはDbPETとCEUSを統合解析し、腫瘍内不均一性とTILsをより正確な診断への応用と発展させる。そしてこの画像システムを応用し、薬物治療効果予測、およびTILs関連の特異的遺伝子候補の探索に応用させたい。
|
Research Products
(13 results)
-
-
-
-
-
-
[Presentation] 非浸潤癌に対する乳房専用PETの有用性についての検討2018
Author(s)
末岡 智志, 舛本 法生, 仁科 麻衣, 木村 優里, 鈴木 江梨, 郷田 紀子, 笹田 伸介, 梶谷 桂子, 恵美 純子, 角舎 学行, 春田 るみ, 片岡 健, 岡田 守人
Organizer
第26回日本乳癌学会学術総会
-
[Presentation] 乳癌診療のための新しい乳癌画像診断 非浸潤癌または、腫瘍径1cm以下の乳癌に対する乳房専用PETの有用性についての検討2018
Author(s)
末岡 智志, 舛本 法生, 仁科 麻衣, 木村 優里, 鈴木 江梨, 郷田 紀子, 笹田 伸介, 梶谷 桂子, 恵美 純子, 角舎 学行, 春田 るみ, 片岡 健, 岡田 守人
Organizer
第118回日本外科学会定期学術集会
-
[Presentation] Intratumoral heterogeneity on dedicated breast positron emission tomography before chemotherapy predicts the outcome of neoadjuvant chemotherapy in breast cancer2018
Author(s)
Norio Masumoto, Takayuki Kadoya, Eri Suzuki, Satoshi Sueoka, Noriko Goda, ,Shinsuke Sasada, Akiko Emi, Rumi Haruta, Tsuyoshi Kataoka, Morihito Okada
Organizer
ESMO 2018 Congress
Int'l Joint Research
-
[Presentation] Relationship between ring-type dedicated breast PET and tumor-infiltrating lymphocytes in early breast cancer2018
Author(s)
Shinsuke Sasada, Noriyuki Shiroma, Eri Suzuki, Satoshi Sueoka,Noriko Goda, Keiko Kajitani, Akiko Emi, Norio Masumoto, Takayuki Kadoya, Rumi Haruta, Tsuyoshi Kataoka, Koji Arihiro, Morihito Okada
Organizer
ESMO 2018 Congress
Int'l Joint Research
-
-
[Presentation] TILs-US score using ultrasonography before chemotherapy predicts the outcome of neoadjuvant treatment in HER2 positive breast cancer2018
Author(s)
Norio Masumoto, Takayuki Kadoya, Akiko Kanou, Kayo Fukui, Noriyuki Shiroma, Satoshi Sueoka , Eri Suzuki , Goda Noriko,Shinsuke Sasada, Akiko Emi, Rumi Haruta , Tsuyoshi Kataoka, Koji Arihiro, Morihito Okada
Organizer
2018 San Antonio Breast Cancer Symposium
Int'l Joint Research
-
-