2018 Fiscal Year Research-status Report
内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術における根治性・安全性の向上に関する研究
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17K10554
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
中条 哲浩 鹿児島大学, 医歯学域附属病院, 講師 (20404486)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 吉陽 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (20725733)
田上 聖徳 鹿児島大学, 附属病院, 医員 (50721031)
夏越 祥次 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (70237577)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 甲状腺内視鏡手術 / 内視鏡頸部郭清 / 頭側尾側アプローチ / 2方向アプローチ / BAVANS |
Outline of Annual Research Achievements |
2009年、我々は吊り上げ式では世界初となる経口アプローチによる内視鏡下甲状腺切除術(TOVANS:H23年度~挑戦的萌芽研究)を開発したが、この研究から得られた最大の収穫は、頭側→尾側アプローチによる操作が内視鏡下の気管周囲郭清において非常に有用であるという事実であった。その後、2方向アプローチによる内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術(BAVANS:H25年度~基盤C)を開発し、これまでの内視鏡手術では不可能であった内視鏡下の気管周囲完全郭清を可能にした。本研究では、次なるステップとして視野可変式硬性内視鏡を使用した多方向アプローチ法を開発し、安全性と根治性を飛躍的に向上させ、いよいよ内視鏡下の頸部外側区域完全郭清を行うための専用器具の開発を行う。上記先行2研究で可能となった気管周囲完全郭清に加え、内視鏡下頸部外側区域完全郭清を多くの外科医が簡便かつ安全に施行可能な発展型の術式を確立する。発展型である多方向アプローチによる内視鏡下甲状腺悪性腫瘍手術は、これまで早期癌だけであった本術式の適応を、外側区域郭清を必要とする進行癌まで劇的に広げられる非常に有望な術式であり、術式の確立後は、世界的に普及する可能性が高い。 平成30年度以降の計画は、下記の通りであり、順調に進行している。 ①前年度の平成29年度に試作した 専用器具のさらなるBrush up ②術式の最終型の確立と論文発表 ③国際学会での発表
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成30年度以降の計画は、下記の通りであり、研究計画は順調に施行している。 ①前年度の平成29年度に試作した 専用器具のさらなるBrush up ②術式の最終型の確立と論文発表 ③国際学会での発表
①については、29年度に試作・試用を行った各器具の微調整を行った。まず、鋼線筋鉤の改良が進み最終型が完成、いよいよ市販化へ大きく前進し、2019年度には市販化のめどが立つと思われる(当該特許あり)。さらに新規開発した上極剥離鉤については市販化が決定した。 ②については、上記器具を効果的に用いた本術式の最終型がほぼ確立し、英文医学雑誌(2編)に投稿した。 ③については、国内学会では発表を行った。本年度中の国際学会発表は行わなかったが、論文投稿を行っているため、次年度の2019年の国際学会での報告を行う予定とした。
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Strategy for Future Research Activity |
上記の如く、特殊器具の開発は市販化が決定しており、最終段階にはいった。 次年度は、2つの器具の市販が行われる予定であり、それを用いた本術式のひとつの完成形が確立される。 今後も、論文投稿、学会発表を行い、当該研究をまとめる予定である。
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Research Products
(6 results)