2017 Fiscal Year Research-status Report
がんの再発、転移治療を実現するためのがん幹細胞特異的miRNAデリバリー法の開発
Project/Area Number |
17K10564
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
上田 しのぶ 東京医科大学, 医学部, 助手 (00521874)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
須藤 カツ子 東京医科大学, 医学部, 兼任講師 (50126091)
黒田 雅彦 東京医科大学, 医学部, 主任教授 (80251304)
高梨 正勝 東京医科大学, 医学部, 講師 (80312007)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | がん幹細胞 / miRNA / エクソソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
化学療法などにより残存したがん幹細胞は全身の臓器に休眠状態で潜伏し、再発や転移の原因となる。 我々はがん幹細胞の維持を抑制するmicroRNA(miRNA)を見出したが、現在の核酸デリバリー法ではがん幹細胞への特異性は低く、その効果も少ない。 そこで血中のmiRNAがエクソソームによって運ばれていることに着目し、がん幹細胞の維持を抑制するmiRNAをエクソソームに内包し、血中に投与することでがんの根治が可能になると考えた。さらにがん幹細胞に結合する分子をエクソソームの膜上に発現させることで、全身に散在しているがん幹細胞特異的にmiRNAのデリバリーが可能となる。本研究では再発や転移に対してより効果的で患者に負担の少ない治療法の確立を目指す。 今年度は乳がん幹細胞に特異的に発現する膜タンパク質 (X) を探索することを目的とした。 乳がん幹細胞と非幹細胞で膜タンパク質の発現パターンの比較を行うため、まず、乳がん細胞株MCF-7とMDA-MB-231より 乳がん幹細胞を分離した。幹細胞や前駆細胞にはアルデヒド脱水素酵素 (ALDH)が高発現しており、がん幹細胞の指標として用いられている。このALDHをALDEFLUOR (VERITA)を用いて染色し、FACS Aria III (BD) にてALDH陽性細胞とALDH陰性細胞に分離した。回収したALDH陽性細胞とALDH陰性細胞から膜タンパク質の抽出を行い、発現パターンを質量分析法 (MS: Mass Spectrometry, nano-LC/MS/MS) により解析し比較する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
通常の培養条件(10%FCS)下におけるがん幹細胞(ALDH陽性細胞)の割合は非常に低く(MCF-7では約2%)、膜タンパク質抽出を行うために必要な細胞数を回収するために数回分を集める必要があり、1回分の解析に必要な試料を作製するための日数がかかる。 また、cell sorterの故障、MSの故障などが続き、予定通り進められていない。
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Strategy for Future Research Activity |
MS解析に必要な膜タンパク質を抽出するために、通常の培養条件(10%FCS)下におけるがん幹細胞(ALDH陽性細胞)の割合が低いため、抗がん剤刺激やスフェア培養などでがん幹細胞の濃縮を試みる予定である。 がん幹細胞を幹細胞状態から脱出させるmiRNAはすでに見出しているので、エクソソーム上に発現させるためのがん幹細胞特異的膜タンパク質の発見を早急に行い、がん幹細胞を標的とした治療法の検討に進みたい。
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Causes of Carryover |
がん幹細胞の質量分析実施が遅れているため、次年度に質量分析装置の消耗品およびタンパク質抽出用試薬として用いる予定である。
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Research Products
(8 results)