2019 Fiscal Year Annual Research Report
Molecular mechanisms responsible for the development of acquired resistance to endocrine therapy in breast cancer
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17K10566
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
紅林 淳一 川崎医科大学, 医学部, 教授 (10248255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森谷 卓也 川崎医科大学, 医学部, 教授 (00230160)
鹿股 直樹 川崎医科大学, 医学部, 准教授 (60263373) [Withdrawn]
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳癌 / 内分泌療法 / 耐性 / マイクロアレイ / 細胞株 / エストロゲン / CXCR4 / HER4 |
Outline of Annual Research Achievements |
乳癌はその多くがエストロゲン依存性であり、内分泌療法が広く用いられている。しかし、必ず内分泌療法耐性が出現する。耐性が獲得された乳癌は、内分泌療法が無効であり、抗癌化学療法が適応となる。抗癌化学療法の導入を遅らせるべく、内分泌療法耐性獲得のメカニズムが検討され、その克服を目指し多くの試みがなされている。我々は以前から乳癌の内分泌療法耐性獲得のメカニズムの解明を目指し、基礎研究を進めてきている。近年我々は、エストロゲン依存性癌の代表的なモデルであるMCF-7細胞を用い、エストロゲン枯渇下、抗エストロゲン薬の曝露下で6カ月以上の長期の細胞培養を行い、エストロゲン枯渇下や抗エストロゲン薬に耐性となった細胞(long-term estrogen deprived細胞 [LTED]細胞とフルベストラント耐性 [FUL] 細胞)を樹立した。さらに、親細胞と比較したmRNA発現マイクロアレイ解析を行い、1) LTED細胞ではERシグナル伝達の亢進、エストロゲンに対するhypersensitivity、癌幹細胞比率の増加が確認された、2) FULではERシグナル伝達の抑制とHedgehogシグナルの活性化やHER1, HER2の発現促進、3) 両耐性細胞に共通した遺伝子発現の変化として、CXCR4とHER4の発現亢進が認められた。さらに、両耐性細胞を用いて、1) CXCR4、HER4の安定した発現亢進の検証、2) CXCR4及びHER4阻害薬(balixafortide, neratinibなど)の細胞増殖や癌幹細胞比率に与える影響、3) CXCR4及びHER4阻害薬の内分泌療法耐性克服の試み(阻害薬単独での抗腫瘍効果、内分泌療法の抗腫瘍効果の増強など)を行い興味深い結果が得られており、追加実験と論文作成に取り掛かっている。
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