2019 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical significance of HER2 intratumoral heterogeneity in breast cancer
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17K10567
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Research Institution | Research Institute for Clinical Oncology, Saitama Cancer Center |
Principal Investigator |
堀井 理絵 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 病理診断科, 医長 (20446272)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 太 公益財団法人がん研究会, がん研究所 病理部, 臨床病理担当部長 (50222550)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 乳癌 / HER2 / 腫瘍内不均質性 / Gene-protein assay / 抗HER2療法 / 効果予測因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度までに得られた成果をまとめて論文投稿を行ったが、希望する雑誌に掲載が許可されなかったため、2019年度は、(A)目視による腫瘍内不均質性の評価を追加し、(B)2018年度までに行った定量的なデータの統計解析を見直した。 (A) 目視による腫瘍内不均質性 2018年に改訂出版されたASCO/CAPの乳癌HER2検査のガイドラインで、HER2遺伝子型の不均質性の定義が提案された。この定義に沿って、遺伝子型の不均質性を評価し、その結果が、トラスツヅマブを含む術前薬物療法の効果と有意に相関することを確認した。 (B) 定量的なデータの統計解析 全ての癌細胞のHER2遺伝子シグナル数とタンパクスコアを、個々に、カウントし、そのデータを用いて、臨床的に意義のあるHER2不均質性の統計指標を探索した。タンパクスコアの平均値とcoefficient of variation(CV)値、遺伝子シグナル数の平均値、遺伝子増幅かつタンパク過剰発現を示す癌細胞の全癌細胞に対する割合、遺伝子増幅がみられるがタンパク低発現の癌細胞の全癌細胞に対する割合などが、術前薬物療法の効果と有意に関連していた。臨床病理学的因子(ホルモン受容体の発現状況、核グレード、Ki67陽性率、臨床病期)とHER2不均質性の指標(①目視で評価した遺伝子型の不均質性、②タンパクスコアのCV値と遺伝子シグナル数の平均値、③遺伝子増幅かつタンパク過剰発現を示す癌細胞の割合)を組み合わせて、薬物療法の効果を予測する診断モデルを作成し、その予測能を比較した。HER2不均質性の指標として②、③を選択した診断モデルは高い予測能を示した。このことから、HER2不均質性は、遺伝子とタンパク両方の発現状況を組み合わせて評価したほうが良いと考えられた。
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Research Products
(2 results)