2018 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍関連好中球に着目した胃癌リンパ節転移機構の解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
17K10584
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
毛利 靖彦 三重大学, 医学系研究科, 客員准教授 (70345974)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
問山 裕二 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (00422824)
大井 正貴 三重大学, 医学部附属病院, 准教授 (40418752)
楠 正人 三重大学, 医学系研究科, 教授 (50192026)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 胃癌 / 好中球 |
Outline of Annual Research Achievements |
腫瘍関連好中球を介する胃癌リンパ転移機序を解明するために、ヒト胃癌(低分化腺癌由来)細胞株(MKN-45)と胃癌(高分化腺癌由来)細胞株(MKN-7)を使用し、ヌードマウス(BALB/c)の胃壁に細胞注入法を用いて同所性移植を施行した。投与8週間後に再開腹して、胃周囲リンパ節のリンパ節転移巣を採取し、初代継代を施行の上、リンパ節転移発現株を作成し、これを樹立した。確認のため、リンパ節転移高発現細胞株であるかを、胃壁内注入し、初代株(N0)と比較し、リンパ節転移高発現を呈することを確認した。 上記より作成したMKN-7, MKN-45, KATO-Ⅲのリンパ節転移高発現細胞株と対照群を胃壁内に注入し、原発巣およびリンパ節転移巣を摘出し、これらの転移巣に浸潤している好中球を抽出した。抽出した好中球をmicroRNA arrayにかけ、発現プロファイルをもとに胃癌リンパ節転移関与するいくつかの腫瘍関連好中球miRNAを確認した。胃癌切除後のfresh frozen sampleを使用し、同時性リンパ節転移を認めた症例(5例)と、ほぼ同じ深達度で同時性リンパ節転移を認めなかった症例(5例)より腫瘍組織内に浸潤した好中球を抽出し、それらの好中球よりtotal RNAの抽出を行った。上記2群間のtotal RNAを用いてmicroRNAマイクロアレイを施行し、Human sampleからの胃癌リンパ節転移関与腫瘍関連好中球のmiRNA(発現上昇miRNA群、発現低下miRNA群)を確認した。 In vitroで抽出されたリンパ節転移関連miRNA群でかつhuman sampleより抽出したリンパ節転移関与miRNA群とで両群とも高発現、もしくは両群とも低発現となる候補遺伝子群を絞り込んだ。リアルタイムイメージで、胃癌リンパ節転移症例の治療への応用の可能性を検討したが、現時点でイメージングに難渋している。また、実際に絞り込んだ腫瘍関連好中球マーカーを永久標本にて確認作業に取り掛かる予定である
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
いくつかの胃癌リンパ節転移関連腫瘍関連好中球遺伝子を同定することができたが、同的観察に難渋している。ヒト胃癌患者の切除標本を用いて、今後、検証する予定である
|
Strategy for Future Research Activity |
胃癌リンパ節転移を呈した臨床検体として、原発巣とリンパ節(とくにセンチネルリンパ節)、末梢血好中球に着目し、上記にて検出したmicRNAの発現をそれぞれ解析することで、リンパ節転移予測マーカーや予後マーカーとしての有用性を検討する。
|