2019 Fiscal Year Annual Research Report
Detection of ctDNA in patients with esophageal squamous cell carcinoma using NGS and digital PCR
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17K10586
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
黒川 幸典 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (10470197)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 誠 大阪大学, 医学系研究科, 准教授 (50444518)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食道外科学 / ctDNA / 次世代シーケンサー / 分子バーコード |
Outline of Annual Research Achievements |
癌患者の血液中に存在する腫瘍由来遊離DNA(ctDNA)は、腫瘍の持つ遺伝子変異を簡便に診断するための非侵襲的検査法(liquid biopsy)として注目されている。本研究では、食道癌患者の末梢血を用いて次世代シーケンサー(NGS)によるctDNAの解析を行い、さらに高感度かつ網羅的な解析が可能となる分子バーコードを用いたNGS解析を加えることで、検出率の向上やより網羅的な食道癌ctDNA解析を可能とすることを目的とする。 平成29年度は、当院で術前治療を行った食道癌患者5例を対象に術前治療開始前および手術前の血液検体、手術時の切除標本の腫瘍組織検体を採取し、それぞれのDNAを抽出した。 平成30年度は、これらのDNAを用いてTP53遺伝子をターゲットとしたNGS解析を行い、手術標本検体5例のうち3例でTP53遺伝子変異を認めた。これら3例のうち1例において治療前血液で同部位の変異を認めたが、手術前血液では認めなかった。残りの2例においては治療前、手術前血液共に原発で認めた変異を認めなかった。 平成31年度は、治療前血液でTP53遺伝子変異を認めた1例の術後4週間後および再発時血液を用いてNGSによるTP53遺伝子変異の解析を行った。解析の手法として分子バーコードを用いたNGSを用いて、それらを用いないNGS解析との比較を行った。その結果、再発時の血液からは分子バーコードの使用の有無に関わらずTP53遺伝子変異を検出できたが、術後4週間後の血液からは分子バーコードを用いたNGS解析のみTP53遺伝子変異を検出できた(0.20%)。以上の結果から、分子バーコードを用いたNGSは食道癌ctDNAの高感度な検出を可能にする有用な手法である可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)