2017 Fiscal Year Research-status Report
血液・組織検体のEMTモニタリングによるStage Ⅱ・Ⅲ食道癌個別化医療の試み
Project/Area Number |
17K10598
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Research Institution | Fukushima Medical University |
Principal Investigator |
藤田 正太郎 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20769640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大木 進司 福島県立医科大学, 医学部, 准教授 (20381361)
岡山 洋和 福島県立医科大学, 医学部, 助教 (20583397)
河野 浩二 福島県立医科大学, 医学部, 教授 (40283204)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 食道癌 / 血中循環腫瘍細胞 / 上皮間葉移行 |
Outline of Annual Research Achievements |
Stage II/III食道癌の標準治療は、術前化学療法および根治的切除、であるが、臨床的に問題となる治療抵抗性、再発リスクや予後を治療前・手術前に判定できれば、術前治療や術後診療方針などの個別化医療に大きく貢献するものと考える。
本研究は術前化学療法の前後に採取する血液・組織検体を最大限に活用することで、癌の転移や化学療法抵抗性を誘導する中心的分子機構である上皮間葉移行モニタリングを試みるものである。比較的新規の手法を用いたLiquid biopsyと、免疫組織学的にEMT判定を行うTissue biopsyに並行して、CT、PET、既存マーカーなどマルチモダリティ評価を経時的に行うことで、実臨床に応用可能な食道癌のバイオマーカー確立を目指している。
当該年度は食道癌約10症例について、術前治療の前後に血液検体を採取し、血中循環腫瘍細胞(CTC)を測定した。上皮型、間葉型と推定されるCTCをそれぞれ定量しており、臨床的な治療効果や組織学的効果判定との関連を検討中である。組織検体を使用した上皮間葉移行について免疫染色を用いた染色法、評価法の確立を試みている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は約10症例、治療前後で計20サンプル程度のCTC測定を念頭に準備しており、おおむね予定通りのサンプル数が得られている。しかしサンプル採取と臨床情報の取得にはタイムラグが生じるため、臨床情報の収集が十分でなく、統計学的な検討には至っていない。
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Strategy for Future Research Activity |
食道癌症例の治療前後の血液サンプルをさらに集積する。同時に生検および手術による標本を用いた検討を本格的に着手する。
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Causes of Carryover |
もともとの研究計画の通り、所属施設の医療機器開発部門の協力により、10症例、20サンプルのCTC測定の無償提供を受けることができる状況である。現時点では20サンプル以内に収まっているため、CTC測定における直接的な物品費は生じていない。また組織切片を用いた解析は当研究室内の既存技術および試薬類によりある程度確立しているものの、実際のサンプルを一定数(20症例程度)集積してからの染色を予定しているため、直接的な物品費としては計上していない。また統計解析可能なほどの臨床情報が収集しきれていないため、学会等では未発表であり、したがって旅費も計上していない。以上から次年度残額が生じたが、次年度のCTC測定、組織切片の解析、旅費などに順次充当する予定である。
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