2017 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of mechanisms of cancer progression by exosome derived from hematopoietic cells
Project/Area Number |
17K10601
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
市川 大輔 山梨大学, 大学院総合研究部, 教授 (20347446)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | exosome / 血球細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.血球細胞由来分泌型exosomeの癌細胞や周囲支持細胞への取り込みの確認 ●健常者ならびに胃癌患者の末梢血液から赤血球細胞を分離し、短期培養することで赤血球細胞由来の分泌型exosomeの分離を行った。これらをPKH26もしくはPKH67によるラベリングを行い、胃癌細胞株培養液中への添加を行ったところ、癌細胞内へのexosome顆粒の取りこみが確認された。また、これらexosome取り込みは胃癌細胞株のみならず中皮細胞などの他の細胞株にも取り込まれることを確認した。●これら赤血球細胞由来exosomeの添加による胃癌細胞株ならびに中皮細胞株への取り込みで、細胞形態学的には明らかな変化を認めなかった。●血小板細胞由来分泌型exosomeについても、その細胞培養液中からの収集に成功し、PKH26によるexosomeのラベリングの後、細胞株培養液中への添加による取り込みを確認した。 2.血球細胞由来分泌型exosomeの取り込みによる受け側細胞の機能解析 ●赤血球細胞由来exosomeの添加による様々な機能解析を行ったところ、増殖能やMatrigel等への浸潤能に明らかな亢進は認めなかった。一方、胃癌細胞株への添加によって、中皮細胞株への接着能の亢進を認めた。しかしながら、中皮細胞への同exosomeの添加では、これら胃癌細胞株と中皮細胞株との間の接着能に変化を認めなかった。また、創傷治癒アッセイによる細胞遊走能の解析では、これら赤血球細胞由来exosomeの添加によって遊走能の亢進を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
血球細胞由来の分泌型exosomeは極めて少量であり、その収集を安定させるのに時間を要した。また、赤血球につづいて行う予定である血小板については、その培養液中の分泌型exosomeの存在の確認ならびに収集が極めて困難であったが、様々な工夫により収集を確認した。機能解析は、これまでと同様の手法であり問題なく施行できている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.消化器癌患者の血球細胞由来分泌型exosomeの癌細胞や周囲支持細胞への影響と分子機序の解明 昨年度の解析で赤血球細胞由来の分泌型exosomeの添加によって差を認めた胃癌細胞株と中皮細胞株との接着能や、創傷治癒アッセイによる細胞遊走能に関与する分子ならびに、その機能解明を目指す。具体的にはexosome添加前後の受け側の癌細胞中の分子について、microRNAやmRNAを対象としたmicroarray解析による比較検討を行い、血球細胞由来exosomeによる消化器癌の更なる悪性度獲得の分子機序について検討する。●前年度の解析で差を認めた接着能解析ならびに細胞遊走能について、健常者の赤血球細胞由来分泌型exosomeと担癌患者の赤血球細胞由来分泌型exosomeの各々の添加による各機能解析の結果を比較することで、担癌患者に特異的な異常の検出を目指す。また、個体差による影響を排除する目的で、同一患者の術前血液サンプルと根治切除後の術後血液サンプルから、各血球細胞を分離し、収集したexosomeを用いた同様の機能解析を行い、その結果を比較検討する。 2.血小板細胞由来分泌型exosomeの癌細胞や周囲支持細胞への影響の検討と分子機序の解明 ●前年度の赤血球細胞由来分泌型exosomeで検討した内容について、同様に血小板細胞由来分泌型exosomeによる機能解析を行う。差異を認めた機能解析においては、健常者と担癌患者との比較検討も行う予定である。また、各々の機能変化に伴う分子機序の解明も目指す予定である。
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