2017 Fiscal Year Research-status Report
人工知能(AI)技術を用いたNK細胞の胃がん浸潤能律速因子の検索
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17K10613
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
上野 富雄 川崎医科大学, 医学部, 教授 (70284255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 清 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (30346564)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ADCC活性 / 免疫療法 / 抗Her2抗体 / NK細胞 / 人工知能 |
Outline of Annual Research Achievements |
抗体依存性細胞傷害(ADCC)活性を用いた抗体療法は、非常に現実的でかつ有用な治療法として期待されているが、固形がんへ有効性を発揮するには同様の課題を抱えている。そこでNK細胞の固形がんへの浸潤を妨げている因子が何であるのかを、胃がんを標的として人工知能(Artificial Intelligence : AI)技術を用い解析を行い、固形がんへのADCC活性を飛躍的に上昇させる因子を探索するため、以下の基礎的実験を行った。
固形がんに対して最もADCC効果が高い抗Her2抗体(ハーセプチン)を用いて、Her2発現がん細胞株に対する抗腫瘍効果をin vitro 3D培養と超免疫不全マウスモデルを用いて検索するため、使用細胞の培養を行った。 1.ヒト胃がん細胞、ヒト乳がん細胞とNK細胞を共培養を行った。 2.ヒト胃がん細胞(HSC-60:Her2共陽性)、ヒト乳がん細胞(HCC1599:トリプルネガティブ、SK-BR-3:Her2陽性)を培養し正常に増加することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
共同研究施設である国立がん研究センターからの細胞譲渡に時間がかかり、さらに施設間での機器・性能の違いから、具体的な試薬(特にフローサイトメトリーに用いる抗体)の選定やすり合わせを慎重に行ったため、進捗状況はやや遅れている。またその後HCC1599の増殖速度が遅い疑いがあり、増殖速度の確認に対する培養に期間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
培養がん細胞ヒト胃がん細胞(HSC-60:Her2共陽性)、ヒト乳がん細胞(HCC1599:トリプルネガティブ、SK-BR-3:Her2陽性)の表面マーカーの探索を行う。これは、NKG2D関連因子、eat me signal関連因子、免疫チェックポイント関連因子など過去に国立がん研究センターで免疫療法関連因子として重要視しているものを中心に行う。具体的にはフローサイトメトリーにて各がん細胞における関連因子の発現を確認する。
健常人末梢血単核球(PBMC)と活性化し誘導したNK細胞と各がん細胞を共培養し、がん細胞の生存率をカルセイン試薬により観察する。その後、共培養前と共培養後で免疫療法関連因子の発現の変化をフローサイトメトリーにて確認する。
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Causes of Carryover |
施設間での機器・性能の違いから具体的な試薬(特にフローサイトメトリーに用いる抗体)の選定や、すり合わせを慎重にしているため、次年度使用額が生じた。次年度使用額は30年度交付額と合わせ、フローサイトメトリーに用いる色素・抗体、細胞培養消耗品などに使用する予定である。
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