2019 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌における循環腫瘍DNAを用いたEGFR抗体薬耐性の検出と個別化治療への応用
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17K10625
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
中村 慶史 金沢大学, 附属病院, 講師 (30608691)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 直樹 埼玉県立がんセンター(臨床腫瘍研究所), 病院 消化器内科, 医長 (20744204)
澤田 武 金沢大学, 附属病院, 医員 (60345626)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 循環腫瘍DNA / 大腸癌 / 抗上皮成長因子受容体抗体 / 遺伝子変異 / 個別化治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
循環腫瘍DNA(ctDNA)を抽出する血液検体は、当大学とその研究協力施設において倫理審査委員会の承認を得て、採取を開始、継続している(課題名:RAS遺伝子野生型の切除不能進行再発大腸癌における循環腫瘍DNAを用いた抗EGFR抗体薬耐性検出の研究)。具体的には、組織由来DNAにおいて、従来法によりRAS野生型と診断された切除不能進行再発大腸癌に対して抗EGFR抗体薬を用いた化学療法を行う症例を対象とし、治療開始前から病状進行まで、定期的に血液採取を行っている。現在、目標数の50例の症例登録が完了し、今後は治療継続例の検体採取を継続するとともに、治療終了症例よりctDNAの抽出、解析を行い、抗EGFR抗体薬の治療効果予測、治療効果のモニタリングや治療無効の早期判定が可能かどうかを検討する予定としている。 並行して、予備的にデジタルPCR法でctDNAの変異解析を行った24例中19例において、保存されていた原発巣や(同時性、異時性の)転移巣の手術検体、計31検体からDNA抽出を行い、Ion AmpliSeq Cancer Hotspot Panelを用いて、次世代シーケンス法で変異解析を行った。今後、そのデータを用いて、原発巣、転移巣における遺伝子変異と、ctDNAにおける変異を比較し、腫瘍の不均一性の有無や程度を検討、さらにctDNAがどの程度原発巣や転移巣の変異を反映しているのかを検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
循環腫瘍DNA(ctDNA)抽出用の検体採取のための症例登録が現時点でようやく完了したため。また、登録した症例の血液採取が終了した後にctDNAの変異解析を開始する予定であり、現時点で治療終了症例に関しては解析を開始するが、現在治療継続症例に関しては治療終了後をもって解析開始となることから、時間を要するため。
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Strategy for Future Research Activity |
治療終了症例から順に検体の解析を開始する。並行して、予備的に循環腫瘍DNA(ctDNA)の変異解析を行った24例中19例において、保存されていた原発巣や転移巣の手術検体、計31検体において、Ion AmpliSeq Cancer Hotspot Panelによる変異解析を行った結果を詳細に検討する。原発巣、転移巣、ctDNAのそれぞれにおける変異を比較し、腫瘍の不均一性の有無や程度を検討、さらにctDNAがどの程度原発巣や転移巣の変異を反映しているのかを検討する予定である。
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Causes of Carryover |
昨年度まで症例集積に時間を要したが、昨年度末に予定症例50例の集積が完了した。これまで研究費の総額を抑制するため、全例の検体集積が終了してからの腫瘍循環DNAの変異解析を開始する予定としており、今年度はその解析を行っていく予定である。
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