2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K10630
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
坂井 義治 京都大学, 医学研究科, 教授 (60273455)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 次世代シーケンサー / 大腸癌 / 遺伝子変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸癌のdriver gene mutationに関する既報を網羅的に調べた結果、APC、TP53、KRASを含めて128個の遺伝子を大腸癌の発癌、生存、増殖に有利な形質を与えうる遺伝子として同定した。また、この遺伝子リストを元に、主にexon領域の塩基配列に相補的、特異的な配列を持つoligonucleotide配列(bait=餌)の設計を行った。 上記作業と並行して共同研究施設で集めた550個の凍結保存検体からDNAとRNAを抽出した。保存検体の条件により5個のsampleからはDNAとRNAの抽出が不可能であったが、合計545個のsampleからは分解の少ないDNAとRNAの抽出が可能であった。 DNAをrandomに断片化したのち、作成したbaitを用いて解析対象として遺伝子領域のみを抽出し、次世代シーケンサーを用いた大量並列シーケンスを行った。NCBI Human Reference Genome上に適切アルゴリズムを用いてmappingした結果、目的の遺伝子領域に関して、平均で600read以上のdepthが得られ、十分な質のデータが得られていることを確認した。 現在までの解析により、APC、TP53、KRAS、FBXW7とPIK3CAの順番に最も高い頻度で変異が入っていることが認められた。(それぞれ85%、79%、45%、15%、14%)。この結果はTCGAから報告されている頻度(Nature; 2012)と大きな相違のない結果であった。また、Microsatellite Instability(MSI)を有するsampleの割合はおおよそ8%であり、欧米からの報告と比較すると低いものの、日本人に関する報告とは相違のない結果であった。この群に関しては、既報と同じく再発する頻度がMSIを持たない群と比較して優位に低く、予後良好な群であることを確認した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
検体の保存状態が非常に良いために、DNA/RNAの抽出が予想されているよりも早く行うことが可能であった。
|
Strategy for Future Research Activity |
データのクリーニング及び遺伝子変異の同定の作業を継続する。データの量が膨大なため、多大な時間を要すると予想される。一方で、同定された遺伝子変異に関しては、sampleの予後情報を収集し、予後の相関に関しての解析を同時に進めることを予定している。
|
Causes of Carryover |
(理由)若干の端数が生じた為。 (使用計画)次年度の予算と合わせて使用予定である。
|
Research Products
(1 results)