2019 Fiscal Year Annual Research Report
Comprehensive analysis of cancer cachexia signaling pathway for identifying a new therapeutic strategy in colorectal cancer.
Project/Area Number |
17K10640
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
宮本 裕士 熊本大学, 病院, 講師 (80551259)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 快郎 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (00452897)
石本 崇胤 熊本大学, 病院, 特任准教授 (00594889)
馬場 祥史 熊本大学, 病院, 非常勤診療医師 (20599708)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸癌 / カヘキシア / Activin/Myostatin経路 / Activin A / 骨格筋量 / 腫瘍局所免疫 / MSI status |
Outline of Annual Research Achievements |
カヘキシアは不可逆的な骨格筋の減少を特徴とし、進行癌患者のQOL低下や予後不良に関連している。今回、大腸癌患者における骨格筋量減少が予後不良となるメカニズムについて2つの視点から検討した。
①骨格筋分解に関わるシグナル伝達の中でActivin経路は癌組織自体から発現していることが知られている。今回Activin Aの大腸癌組織における発現の意義について検討した。大腸癌切除症例157例のActivin Aの発現は癌部において有意に高発現していた(p<0.01)。また、癌部での発現量を中央値で2群に分けると、高発現群はOSが有意に短く、多変量解析でもActivin A高発現は独立した予後不良因子であった(HR= 5.6, 95%CI=2.2-15.1)。しかし、術前の骨格筋量とActivin Aの発現量には有意な相関関係はみられなかった。 ②骨格筋減少は全身慢性炎症、さらに腫瘍局所免疫へ影響し、予後不良と関連している可能性がある。局所免疫の評価として大腸癌組織における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)や腫瘍関連マクロファージ(TAM)を評価し、MSI status別に骨格筋量との関連を評価した。CD3、CD4、CD8、Foxp3、CD163、CD204の免疫染色を行い、腫瘍先進部のTILおよびTAMを評価した(n=256)。MSS群(n=230)では、無増悪生存期間はCD8、CD3、Foxp3高浸潤群で有意に長く(すべてp<0.05)、OSはCD8高浸潤群で長かった(p=0.003)。MSI群、MSS群ともに、TILおよびTAMと骨格筋量の間に有意な相関関係はみられなかったが、その傾向が認められた。今後はより進行した癌(Stage III-IV)の症例に限局して解析を行う予定である。
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Research Products
(7 results)