2019 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of polyphenols on Bcl-xL expression in colon and pancreatic cancer cells
Project/Area Number |
17K10644
|
Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
高橋 広城 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (30381792)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 祐三 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (10770258)
松尾 洋一 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 准教授 (40381800)
原 賢康 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 研究員 (80528860)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 大腸癌 / アポトーシス / ポリフェノール |
Outline of Annual Research Achievements |
私たちはこれまで、ポリフェノールによる抗腫瘍効果の作用機序を研究してきた。その結果、アポトーシス調整蛋白であるBcl-xLとMcl-1が共同してアポトーシスを抑制していることを発見した。この過程において、ポリフェノールは常にMcl-1を抑制するが、Bcl-xLは抑制される場合と逆に活性化される場合があるという興味深い現象を見いだした。本研究では、ポリフェノールのBcl-xLに対する作用機序を分子レベルで解明し、消化器がんに対するポリフェノール療法による新たながん治療法を開発することを目的とする。 H29年度はポリフェノールがBcl-xLに及ぼす効果とアポトーシスの関係を検索し、Bcl-xLとMcl-1を同時に抑制することで非常に強いアポトーシスを誘導することを確認しそのシグナルはSTAT3のリン酸化関与していることを突き止めた。 H30年度には炎症性サイトカインであるIL-6を投与することでBcl-xLとMcl-1が活性化されることが新たに判明し、ポリフェノールはこの活性化されたBcl-xLとMcl-1を抑制することが判明した。さらに大腸がんの臨床検体を用いて免疫染色を行い、Bcl-xLとMcl-1の発現と進行度についての検討を網羅的に行った。 H31年度は周囲の間質に存在するCancer associated fibrobrast (CAF)との関連についてさらに検討を行った。その結果CAFが分泌するIL-6が大腸がんに影響を及ぼしてSTAT3をリン酸化させてBcl-xLとMcl-1を活性化させるというメカニズムを新たに発見した。 つまりこのポリフェノールのBcl-xLに対する効果の違いは癌周囲組織との関係などが大きく関与していることが判明し、今後のがん治療に非常に興味深い研究であったと考える。
|