2018 Fiscal Year Research-status Report
血中遊離DNAのモニタリングによる疾患プロファイルの構築と個別化治療戦略
Project/Area Number |
17K10650
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
宮倉 安幸 自治医科大学, 医学部, 准教授 (50306122)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 浩一 自治医科大学, 医学部, 准教授 (70332369)
力山 敏樹 自治医科大学, 医学部, 教授 (80343060)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | デジタル PCR / 血中モニタリング / KRAS / 大腸癌 / 膵癌 / EGFR |
Outline of Annual Research Achievements |
【研究目的】我々は腫瘍のゲノムプロファイルがその進展・転移、治療の過程で変化する事に注目し、ゲノムプロファイルのモニタリングとその情報に基づく癌治療戦略の構築を進めてきました。しかし頻繁な生検や転移巣の検体採取が必要で、煩雑性や過大侵襲が大きな問題でした。その問題を解決したのが、血中に遊離した希少な腫瘍細胞やDNAを検出する技術「Liquid biopsy」です。我々が注目したのはKRAS遺伝子で、切除不能大腸癌の治療標的分子です。本研究では、薬剤耐性のみならず感受性回復の指標としての意義を検証し、薬剤の再導入の可能性を探ります。また原発巣と転移巣のKRAS statusの解離に注目し、KRAS statusに基づく治療介入方法を検討します。新たな医療アプローチとして、臨床応用を目指します。 【研究実績】平成30年度は、 (1)KRAS遺伝子の血中モニタリングの継続:「Liquid biopsy」でKRAS変異を血中モニタリングする事によって薬剤耐性の獲得をより鋭敏に捉える事が可能となり、薬剤耐性のみならず感受性回復、薬剤の再導入のへの指標となる事を報告しました。(Takayama Y.Oncotarget.2018) (2)液滴ソーティングによる塩基配列解析と簡易解析システムのアプリケーション化:標的分子としてEGFRのモニタリングを追加しました。株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズのソーティングシステムを用いて循環腫瘍細胞の採取を行い、循環腫瘍DNAとの比較を行いました。大腸癌の分子標的治療薬であるRegorafenibの投与前後で循環腫瘍DNAを採取し、EGFRの発現レベルを比較すると、Regorafenibを投与することによりEGFRの発現レベルが上昇する事を確認しました。抗EGFR抗体の再投与が有効性を考える上で意義のある結果です。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)KRAS遺伝子の血中モニタリングの継続 「Liquid biopsy」でKRAS変異を血中モニタリングする事によって薬剤耐性の獲得をより鋭敏に捉える事が可能となり、薬剤耐性のみならず感受性回復、薬剤の再導入のへの指標となる事を報告しました。(Takayama Y.Oncotarget.2018) (2)標的循環遊離核酸の拡大と疾患プロファイルの構築 (3)液滴ソーティングによる塩基配列解析と簡易解析システムのアプリケーション化 標的分子としてEGFRのモニタリングを追加しました。株式会社オンチップ・バイオテクノロジーズのソーティングシステムを用いて循環腫瘍細胞の採取を行い、循環腫瘍DNAとの比較を行いました。大腸癌の分子標的治療薬であるRegorafenibの投与前後で循環腫瘍DNAを採取し、EGFRの発現レベルを比較すると、Regorafenibを投与することによりEGFRの発現レベルが上昇する事を確認しました。抗EGFR抗体の再投与が有効性を考える上で意義のある結果です。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)標的循環遊離核酸の拡大と疾患プロファイルの構築 標的分子を増やすことにより、個人の疾患プロファイルを構築します。血中モニタリングを行う事でリアルタイムに個人の疾患プロファイルの変化を捉え、治療や予防に応用する新たな個別化医療のアプローチとなります。まずはKRAS関連遺伝子であるNRAS、BRAFからはじめ、その後さまざまな標的分子を増やします。 (2)液滴ソーティングによる塩基配列解析と簡易解析システムのアプリケーション化 これまでの検討から循環遊離核酸の変異型が組織変異型と解離する症例が散見され、循環遊離核酸の塩基配列の検証が必要と考えられます。「デジタルPCR」で増幅された遺伝子が含まれる液滴をソーティング回収し、シークエンス解析に用いて塩基配列を同定します。この一連のプロセスをアプリケーション化します。
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Causes of Carryover |
消耗品価格の変動のため次年度使用額が生じました。消耗品購入の繰り越しにまわします。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Monitoring circulating tumor DNA revealed dynamic changes in KRAS status in patients with metastatic colorectal2018
Author(s)
Yuji Takayama, Koichi Suzuki, Yuta Muto, Kosuke Ichida, Taro Fukui, Nao Kakizawa, Hideki Ishikawa, Fumiaki Watanabe, Fumi Hasegawa, Masaaki Saito, Shingo Tsujinaka, Kazushige Futsuhara, Yasuyuki Miyakura, Hiroshi Noda, Fumio Konishi, Toshiki Rikiyama
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Journal Title
Oncotarget
Volume: 9
Pages: 24398~24413
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Clinical significance of monitoring KRSA in tissue and serum of pancreatic cancer patients2018
Author(s)
Watanabe F, Suzuki K, Ishikawa H, Endo Y, Ichida K, Takayama Y, Fukui T, Kakizawa N, Kasahara N, Kato T, Noda H, Rikiyama T
Organizer
Gastrointestinal Cancers Symposium
Int'l Joint Research
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[Presentation] Dynamics and characteristics of KRAS mutated circulating tumor DNA in patients with metastatic colorectal cancer during various treatments2018
Author(s)
Takayama Y, Suzuki K, Ichida K, Fukui T, Kakizawa N, Watanabe F, Kikukawa R, Hasegawa F, Tsujinaka S, Miyakura Y, Konishi F, Rikiyama T
Organizer
Gastrointestinal Cancers Symposium
Int'l Joint Research
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