2018 Fiscal Year Research-status Report
新テロメスキャンF35による大腸がんCTCの臨床応用と機能分析
Project/Area Number |
17K10653
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
落合 匠 順天堂大学, 医学部, 客員准教授 (10626815)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小見山 博光 順天堂大学, 医学部, 非常勤講師 (30348982)
十合 晋作 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80365634)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸癌 / 治療効果判定 / テロメラーゼ / 予後予測因子 / 血中循環腫瘍細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
がん治療における課題は、転移・再発への対応であり、がん患者における転移の有無やその性状の把握は予後評価や治療方法を検討する上で重要な情報となっている.そのためには 大腸癌の検出感度の向上に取り組むことが重要である. がん細胞は血液の流れに乗って肝臓などの臓器に生着して転移を起こす.この血中に浮遊する細胞を血中循環癌細胞(Circulating Tumor Cell; CTC)と呼び,これを捕捉するシステムが開発された. CTCは米国(FDA)で臨床試験が行われているが,先行開発された既存のシステムでは、抗体の設定を自由にできず,捕捉率も悪く,大腸がんの臨床応用に不向きである.これは,細胞表面抗原を認識する抗体を用いたCTC検出法に効率面での問題があるためである. 他にもCTCの捕捉には,さまざまな手法の開発が行われているが,いずれも検出感度が低いことが課題である.一方,本邦で開発されたテロメスキャンは,癌で高発現しているテロメラーゼを指標とし て癌を捕捉する手法である. 我々は、このテロメスキャン法に着目,さらに改良を加えた改良型テロメスキャン法により,精度の高いCTC測定法の構築を進めてきた.大腸がん患者より採取し た血液を用いた解析を進める.大腸癌患者採血検体のCTCを解析し,従来法によるCTCの検出と比較したところ,改良型テロメスキャン法を用いた場合には,従来 法よりもCTC検出量が高いことが明らかになった.テロメスキャン法によって精度の高い大腸癌CTC測定が可能になることになれば,採血検体からのCTC検出により大 腸癌早期検出,さらに手術や化学療法の効果も評価可能となり.治療法選択の上でも有用である
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
通常用いられるCTC捕捉検出法では癌で特異的に高発現する分子(抗原)を標的としてCTCを捕捉・検出するが,標的とした抗原の発現レベルの低い癌細胞を捕捉 できないため検出力が低くなることが指摘されている.本研究でテロメラーゼを指標とした改良型テロメスキャンによる大腸癌CTC検出法の検出力の高さを確認し, 症例ごとのCTC濃度変化の解析を進めている.
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Strategy for Future Research Activity |
大腸がんCTCと治療効果の評価, 臨床情報との関連性を解析し, 改良型テロメスキャンの適用によるCTCの治療効果判定マーカーとしての有用 性を検証する.
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Causes of Carryover |
テロメラーゼを指標とした改良型テロメスキャンにより高感度なCTC検出を可能とし,大腸癌の症例ごとの治療前後のCTCの変化を追跡している. 次年度使用額は試薬消耗品,機材調整費などの資金として使用する.
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Research Products
(10 results)
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[Journal Article] Impact of primary tumor location as a predictive factor in patients suffering from colorectal cancer treated with cytotoxic anticancer agents based on the collagen gel droplet-embedded drug sensitivity test.2018
Author(s)
Ochiai T, Nishimura K, Watanabe T, Kitajima M, Nakatani A, Nagayasu K, Sakuyama N, Sato T, Kishine K, Abe Y, Nagaoka I.
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Journal Title
Oncology Letters
Volume: 17(2)
Pages: 1842-1850
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Journal Article] High-sensitivity detection of micrometastases generated by GFP lentivirus-transduced organoids cultured from a patient-derived colon tumor.2018
Author(s)
OkazawaY, Mizukoshi K, KoyamaY, Okubo S, Komiyama H, Kojima Y, Goto M, Habu S, Hino O, Sakamoto K, Orimo A.
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Journal Title
J Vis Exp
Volume: 136(e57374)
Pages: ー
DOI
Peer Reviewed / Open Access
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[Presentation] Complete Mesocolic Excision For Transverse Colon In Our Hospital.2018
Author(s)
Shun Ishiyama, Kota Amemiya, Yuki Tsuchiya, Hirokazu Matsuzawa, Shingo Kawano, Masaya Kawai, Koichiro Niwa, Kiichi Sugimoto, Hirohiko Kamiyama, Makoto Takahashi, Hiromitsu Komiyama, Yutaka Kojima, Atsushi Okuzawa, Yuichi Tomiki, Tetsu Fukunaga, Yoshiaki Kajiyama, Seiji Kawasaki, Kazuhiro Sakamoto
Organizer
SAGES & CAGES 16TH WORLD CONGRESS OF ENDOSCOPIC SURGERY, Seattle, WA, USA
Int'l Joint Research
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[Presentation] 腹腔鏡下大腸癌手術における癒着防止吸収性バリアの挿入法の工夫2018
Author(s)
塚本 亮一, 土谷 祐樹, 茂木 俊介, 河合 雅也, 石山 隼, 杉本 起一, 神山 博彦, 小見山 博光, 高橋 玄, 小島 豊, 冨木 裕一, 福永 哲, 梶山 美明, 川崎 誠治, 坂本 一博
Organizer
第43回日本外科系連合学会学術集会
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[Presentation] 後期研修医によるTAPP法とスキルアップトレーニング2018
Author(s)
小針 文, 土谷 祐樹, 松澤 宏和, 河野 眞吾, 丹羽 浩一郎, 石山 隼, 杉本 起一, 小見山 博光, 高橋 玄, 小島 豊, 冨木 裕一, 福永 哲, 梶山 美明, 川崎 誠治, 坂本 一博
Organizer
第43回日本外科系連合学会学術集会
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