2022 Fiscal Year Annual Research Report
Polymorphism analysis on self-assessment and safety of L-OHP-induced peripheral neuropathy using PNQ
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17K10654
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小林 靖奈 昭和大学, 薬学部, 教授 (20276611)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅本 岳宏 昭和大学, 医学部, 講師 (00384537)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 神経毒性 / 遺伝子多型 / 安全性 / 化学療法 / 抗EGFR抗体 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題は、2017年1月から研究代表者が申請時点での大学から異動したため、研究は異動先で行うこととなり、異動先では研究環境を立ち上げることから始まったので、予定より遅れて開始した。加えて、2020年から始まった新型コロナウイルス感染症の拡大により、研究室での研究活動や病院内での研究活動が厳しく制限された。以下、本研究実績の概要である。
大腸癌は大腸に発生する悪性腫瘍で、罹患数・死亡数の中で上位を占める。RAS遺伝子野生型の切除不能・進行再発大腸癌患者の治療に、化学療法FOLFOX または FOLFIRI にセツキシマブやパニツムマブなどの抗EGFR抗体薬が併用される。Stage Ⅲ~Ⅳ の大腸癌患者を対象に遺伝子の多型を解析し、さらに文献よりセツキシマブの有効性と安全性を調査した。方法として、対象はFOLFOX±CET 併用療法を施行したStageⅢ~Ⅳの結腸・直腸癌患者とした。遺伝子多型解析に用いた試料は、同一患者から血液、非がん部位、がん部位の3検体を提供受けた。それぞれDNA を抽出し、ダイレクトシークエンス法にて解析を行った。RAS遺伝子多型に基づく患者に対する抗体医薬品の有効性と安全性は文献より調査し、主要評価項目にOS、副次的評価項目にPFS、ORR、有害事象として評価した。結果として、対象患者13名におけるRAS/RAF遺伝子解析の結果、RAS変異型は5名(38.5%)であった。RAF変異型は認められなかった。結論として、RAS遺伝子野生型の患者であってもセツキシマブの有効性が示せない症例に対してFOLFOX にベバシズマブを導入した方が適していた可能性がある。大腸癌に対するRAS/RAF遺伝子多型解析を行うことは、末梢神経毒性などの副作用予防もしくは軽減し、かつ有効性を高めるためにも重要である。令和4年度もコロナ禍のため、それまでに得られた結果を発表した。
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