2018 Fiscal Year Research-status Report
肝細胞癌の脈管浸潤における長鎖ノンコーディングRNAの機能的役割の解明
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17K10662
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Research Institution | National Center for Global Health and Medicine |
Principal Investigator |
唐子 尭 (唐偉) 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 上級研究員 (00313213)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋光 信佳 東京大学, アイソトープ総合センター, 教授 (40294962)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肝細胞癌 / 長鎖ノンコーディングRNA / 脈管浸潤 / 治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度においては、引き続き研究項目(1)肝細胞癌(HCC)細胞における各種長鎖ノンコーディングRNAの発現上昇の効果の解明(in vitro解析)、及び研究項目(2)HCC細胞における各種長鎖ノンコーディングRNAの発現上昇の効果の解明(in vivo解析)に関する研究を遂行した。肝癌組織や種々のHCC細胞において発現上昇がみとめられた長鎖ノンコーディングRNA(PRC1-AS1、RP11-334E6.12、LINC00665、AC092171.4)に関して、siRNAによる一過的な発現変動を誘導し、細胞の形態、増殖、移動などの特性への効果を検討した。その結果、PRC1-AS1及びLINC00665に対するsiRNAの処理により、双方のRNAの発現低下を誘導させた細胞を樹立した。それらのHCC細胞の形態は大きく変化することはなく、MTTアッセイによる細胞の増殖性の解析においてもコントロール細胞と比較して顕著な差はみとめられなかった。一方で、スクラッチアッセイやトランスウェルアッセイによる細胞の移動の解析においては、PRC1-AS1あるいはLINC00665の発現を低下させたHCC細胞の移動はコントロール細胞と比較して抑制されているという結果を示した。以上のことから、PRC1-AS1あるいはLINC00665の発現はHCC細胞の移動能に影響を及ぼすことが示唆された。今後は、生体内での腫瘍組織においてこの効果が誘導されるかを検討するために、PRC1-AS1あるいはLINC00665の恒常的な発現低下細胞株を樹立する必要がある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究項目(1)肝細胞癌(HCC)細胞における各種長鎖ノンコーディングRNAの発現上昇の効果の解明(in vitro解析)に関する成果は得られたが、計画していた研究項目(2)HCC細胞における各種長鎖ノンコーディングRNAの発現上昇の効果の解明(in vivo解析)に関しては恒常的な発現低下細胞の樹立までに至らなかった。従って、本研究計画の当該年度までの司直は、やや遅れていると判断される。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に得られた研究項目(1)肝細胞癌(HCC)細胞における各種長鎖ノンコーディングRNAの発現上昇の効果の解明(in vitro解析)に関する結果が生体内でも認められるか否かを検討するために、研究項目(2)HCC細胞における各種長鎖ノンコーディングRNAの発現上昇の効果の解明(in vivo解析)の遂行に重点を置く。第一には、PRC1-AS1あるいはLINC00665の発現を恒常的に低下させた細胞株を樹立し、ヌードマウスを用いた肝転移モデルにより生体内におけるHCC細胞の転移能への影響を検討する。
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