2019 Fiscal Year Research-status Report
NASHにおける肝線維化と肝内マクロファージ活性化における組織線溶因子の役割
Project/Area Number |
17K10666
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Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
岩城 孝行 浜松医科大学, 医学部, 准教授 (70509463)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | NASH / 四塩化炭素 / BCG / 線溶因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、①NASHにおける肝臓線維化が病態悪化の主因であるか随伴病態であるかを高脂血症マウスと線溶関連因子のノックアウトマウスを用いて、四塩化炭素によるNASH誘導モデルを用いて組織線維化の程度を調節することで解析する、②NASHにおいてはメタボリック症候群などで潜在的に活性化している肝内マクロファージが腸内細菌などによる暴露でさらに活性化してしまうことが原因とされてきているが、線溶因子が影響するかを①で使用したマウスの肝内マクロファージや骨髄細胞由来マクロファージを用いて解析する、③線溶因子がNASHに関連している場合、線溶因子の薬剤投与による調節でNASHの治療や予防の可能性を①で使用するマウスで探索する、ことを目的としている。 昨年度までの実験より、WtマウスにおいてBCGによるプライミングは四塩化炭素の肝臓線維化を相乗的に増強することを見出した。しかし、L-/-/A-/-マウスにおける線維化は、Wtマウスと比べて明らかな差は認められなかった。また、他の薬剤による肝障害及び肝臓線維化の影響をアセトアミノフェン(APAP)の自発経口摂取によって四塩化炭素と同様に検討したが、WtとL-/-/A-/-マウス間で肝線維化の差が認められず、また四塩化炭素ほど促進されなかった。四塩化炭素誘発性肝線維化Wtマウスにおいて、F4/80染色を行うと、BCGはF4/80陽性面積を顕著に増加させていることから、肝内マクロファージの集積を強化することを確認した。また、凝固系因子であるフィブリンの免疫染色を行ったところ、BCG投与によって血管内・外の一部にフィブリン蓄積が確認された。以上より、肝線維化においてBCGによるマクロファージへの刺激と凝固・線溶系の関与が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度までに作製した四塩化炭素誘発性肝線維化モデルを解析し、免疫染色を行った。その結果から、F4/80陽性のマクロファージの集積はBCGで顕著になることを確認した。またBCG投与時のfibrin沈着の増強を確認した。本モデルの肝線維化において、マクロファージ及び凝固・線溶系の関与を検討できた。またプラスミンを阻害するためのTXAの自由飲水投与によって本モデルでの肝線維化を抑制することが確認された。この時、マクロファージの集積には差が認められなかったので、マクロファージの組織浸潤性と線維化促進作用は機序を異にすることが示唆された。
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Strategy for Future Research Activity |
線溶系因子欠損マウスを用いて線溶系の影響を評価する。さらにマクロファージの分類を免疫染色によって行い、線溶系とマクロファージの関係を調べる予定である。 また、L-/-/A-/-マウスにおいてstreptozotocin及び高脂肪食で効率的にNASHを誘発するモデルを開発する予定である。
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Research Products
(2 results)